本日ご紹介するのは、地元「銚子港」で水揚げされる「魚」のひとつ「鯖(さば)」です。
「銚子漁港」(1月24日のブログ参照)は、「全国屈指」の「水揚げ量」を誇る「全国有数」な「漁場」、「水産」、「加工」、「流通」の「総合漁業基地」となっています。
「銚子漁港」で「水揚げ」される主な「魚」は「鰯(イワシ)」(5月17日のブログ参照)、「秋刀魚(サンマ)」(9月1日のブログ参照)、「鯖(サバ)」、「鮪(マグロ)」(11月8日のブログ参照)、「鯛(タイ)」、「平目(ヒラメ)」などで「鮮魚」として「全国各地」に送られています。
「銚子市」には、「銚子漁港」で「水揚げ」される「旬の味」を求めに多くの「観光客」、「買物客」で賑わっています。
特に「水産物卸売センター」「ウォッセ21」(2010年8月25日・2011年4月26日・2012年11月30日のブログ参照)や、「魚市場」(2010年12月18日・2011年1月26日のブログ参照)では、「旬の魚」が「市価」よりも2〜3割ほど安く買い求められ、まとめて買うと更に安くしてもらえる「場合」もあるそうです。
「ウォッセ21」や「魚市場」には「活気」に溢れ、その日に「水揚げ」された「魚介類」が次々と売りさばかれています。
「銚子漁港」の「主要魚種」の昨年(2011年)の「水揚げ高」ですが、「数量」225618tで、「主要魚種」の「水揚げ高」比率ですが、「第1位」は「真鰯(まいわし)」34.1%で、「第2位」は「鯖(さば)」22.6%で、「第3位」は「片口鰯(かたくちいわし)」15.8%、「第4位」は「秋刀魚(さんま)」10.7%、「第5位」は「鰤(ぶり)類」3.8%、「第6位」は「鯵(あじ)類」2.3%、「第7位」は「鰹(かつお)」2.1%、「その他」8.7%となっていました。
昨年の「銚子漁港」「主要魚種」の「金額」ですが、25,016,994千円を100%として「金額」の「比率」ですが、「第1位」は「鯖」19.4%、「第2位」は「真鰯」14.7%、「第3位」は「秋刀魚」9.4%、「第4位」は「メバチ」6.5%、「第5位」は「片口鰯」は6.3%、「第6位」は「キハダ」5.1%、「第7位」は「ビン長」4.8%、「第8位」は「鰹」4.6%、「その他」29.2%となっているそうです。
「鯖」(英・Mackerel)は、「スズキ目」・「サバ科」の「サバ属」「Scomber」・「グルクマ属」「Rastrelliger」・「ニジョウサバ属」「Grammatorcynus」などに分類される「魚」の「総称」です。
「日本近海」では「マサバ」・「ゴマサバ」・「グルクマ」・「ニジョウサバ」の計「4種」が見られます。
「日本産サバ類」ですが、「サバ属」(Scomber)は、「マサバ」、「ゴマサバ」、「大西洋サバ」(通称「ノルウェーサバ」)、「グルクマ属」(Rastrelliger)は、「グルクマ」、「ニジョウサバ属」(Grammatorcynus)は、「ニジョウサバ」となっています。
「マサバ」(S.japonicus)ですが、「腹側」は「無地」の「銀白色」、「背中」は「斑点列」。
「ゴマサバ」(S.australasicus)ですが、「腹側」に黒い「斑点」が多数、「背中」は「斑点列」。
「大西洋サバ」(S.scombrus)ですが、「腹側」は「無地」の「銀白色」、「背中」は「曲線模様」。
「グルクマ」(R.kanagurta)ですが、「背中」は「斑点列」、「日本」では「南西諸島」だけで漁獲されます。
「ニジョウサバ」(G.bilineatus)ですが、「側線」が「背側」と「腹側」に分岐し、「南西諸島」で「稀」に漁獲されます。
「日本」の「太平洋」各地で水揚げされる「鯖」は「秋」が「旬」で「秋サバ」と称されます。
「太平洋」沿岸を回遊する「鯖」は、「伊豆半島」沖で「春頃」「産卵」し、「餌」を食べながら北上します。
特に「北海道」沖での「海域」は、「プランクトン」が豊富にあり「鯖」は丸々と太りますが、「脂肪分」は「皮」と「身の間」などに貯められ、「身」に「均等」にまわっていないそうです。
この「鯖」が「産卵」のために「南下」を始める時期が9月〜10月頃であり、その時期の「鯖」は「脂肪」が「身」に入り込み、「身」もしまり「風味」は「格段」に上がります。
特に「八戸沖」で水揚げされる「戻り」の「鯖」は「最良」とされています。
北上する「鯖」と南下する「鯖」とでは「脂肪含有率」が全く違いますが、「脂肪含有率」の多い「順」は、「北海道沖」、「八戸沖」、「三陸沖」、「常盤沖」、「銚子沖」、「伊豆沖」となっています。
「九州沿岸」で水揚げされる「鯖」は、「冬」が「旬」であり俗に「寒サバ」とも称されます。
「大西洋サバ」(通称・ノルウェーサバ、S.scomarus)は「秋」が「旬」だそうです。
「アイルランド沖」で「春先」に「産卵」し、孵化した「幼魚」は「餌」をとりながら「ノルウェー南部海域」には「ルンペ」と称される「浅瀬」があり、そこには「海草」が生い茂り「波」も静かで「プランクトン」が豊富です。
「幼魚時期」にそこで成長し、「回遊」ができる「体」になってから北上を始めます。
「ノルウェー北部海域」には「プランクトン」が豊富にある「海域」があり、「索餌行動」をして丸々と太った「鯖」は「産卵」のため「南下」を始めるそうです。
程よく「脂」も抜けて、「身」もしまり「風味」が良くなる時期が、9月中旬から10月中旬です。
特に「オーレスンド沖」で水揚げされる「戻り」の「鯖」が最良とされています。
「脂肪含有率」の「目安」は、8月「漁獲サバ」約30〜32%、9月中旬〜10月中旬「漁獲サバ」約28%前後、1月「漁獲サバ」約24%、3月「漁獲サバ」約16〜18%となっています。
「食材」である「鯖」ですが、「焼き魚」、「煮魚」(鯖味噌など)、「寿司」(鯖寿司)、「〆鯖(しめさば)」として多く食べられており、「缶詰」にされる「煮鯖」も多く、「鰹節」と同様の「鯖節(さばぶし)」にされることもあります。
「九州地方」などを中心に「西日本」では「鮮度」が良い場合「刺身」や「胡麻鯖」など「生食」で供されます。
「鮮度」の「問題」から、「東日本」の「大部分」では「生食」で供されることは一部の「ブランド魚」を除き「稀」です。
「鯖」には「DHA」(ドコサヘキサエン酸)や「EPA」(エイコサペンタエン酸)などの「高度不飽和脂肪酸」-「ω(オメガ)-3脂肪酸」(OMEGA-3)が多く含まれている点も注目されています。
その一方で「鯖の生き腐れ」と呼ばれるほど「鮮度」の「低下」が著しいという「欠点」もあります。
また「ヒスチジン」を多く含むために「アレルギー源」となる「ヒスタミン」を生じやすく、「蕁麻疹(じんましん)」の原因となることがあります。
近年では「養殖技術」の「発達」により、「養殖もの」の「鯖」も「市場」に出回るようになっており、「鯖」の「養殖」は「大分県」や「鳥取県」で盛んに行われているそうです。
「海外」では主に「ノルウェー」から輸入されており、主に「塩蔵品」(塩さば)に加工されます。
「マサバ」では「豊後水道(ぶんごすいどう)」の「関さば」・「岬さば」(はなさば)、「三浦市松輪」の「松輪サバ」、「ゴマサバ」では「屋久島」の「首折れ鯖」、「土佐清水市」の「清水サバ」などの「地域ブランド」が存在します。
古来より「鯖」は、「食あたり」が発生しやすい「食材」として知られており、「鯖の生き腐れ」(生きているときから腐っているという「意味」は誤(あやま)り)と呼ばれてきました。
これは「脂肪分」が多く「鮮度低下」が比較的早いということと、環境中に駐在する「ヒスタミン生産細菌」により「ヒスタミン」が生じることが「原因」です。
「鮮度」の「低下」を防ぐために、「釣り」で「捕獲」した際は「低温」で保管するのはもちろんのこと、「エラ」を切除するか、「首」を折った後に「海水」に漬けて「血抜き」することが推奨されています。
しかし「低温」だけでは「ヒスタミン生産細菌」の「増殖」と「ヒスタミン」の「生成」を「抑制」することは出来ず、「温度」5℃「5日間」の「保存」で「官能的」に「腐敗臭」を感じない「状態」でも、「ヒスタミン量」が「中毒」の「閾値」を超える場合もあります。
また、「調理」の「加熱」では「ヒスタミン」は分解されず「食品中」に残存します。
「鯖」は、古くから「日本人」になじみの深い「食用魚」です。
「鯖」の「名称」は古く、「一説」には、「小さい歯」が多いことから「小(さ)歯(ば)」の「意」であるといわれています。
平安時代には「中男作物」として貢献され、また「鯖売り」の「行商」が行われていたなどという「記録」があるそうです。
「文化」の「面」でも幾らかの「影響」を与えており、「弘法大師」が「旅僧」の「姿」で「鯖」を請うたのに、「商人」または「馬子」が「荷物」の「鯖」を与えなかったため罰せられたという「伝説」があるそうです。
また「秋鯖は嫁に食わすな」という「嫁いびり」に繋げた「言葉」がありますが、現代では「脂肪が多いから嫁さんにはよくない」という「解釈」もあります。
「年」(年齢)を誤魔化(ごまか)す際の「サバを読む」という「言葉」は、「鯖」が「大量」に捕れ、かつ「鮮度低下」が激しいため、「漁師」や「魚屋」が「数」もろくに数えず大急ぎに売りさばいたのが「起源」という「説」があります。
「相撲」の「鯖折(さばお)り」の「語」は、釣り上げた「鯖」の「鮮度」を保つために、「エラ」から「指」を入れて「頭部」を上方に折り曲げるという「手法」がよく取られたことに由来するそうです。
また「フランス」では「四月バカ」(エイプリルフール)のことを「Poisson d'avril」(4月の魚)といいます。
この「4月の魚」の「意味」は「鯖」を指していますが、これは「鯖」が「4月」に入ると「たくさん釣れるため」という「説」もあるそうです。
「徳島県」に「弘法大師」を「御本尊」とする「鯖大師本坊」という「寺」がありますが、そこでは「鯖斷ち三年祈願」と言って、「願掛け」した後に「鯖」を「三年間」食べないことで、「病気平癒」・「子宝成就」・「心願成就」の「御利益」があると信じられています。
ちなみに「日本」のおもな「陸揚げ漁港」ですが、2002年度は、以下のように
第1位 銚子漁港 (千葉県)
第2位 石巻漁港 (宮城県)
第3位 焼津漁港 (静岡県)
第4位 博多漁港 (福岡県)
第5位 境漁港 (鳥取県)
となっていました。
「銚子市」では、「第3回銚子極上さば料理祭」と題し、「市内」7店舗で開催しています。
「第3回銚子極上さば料理祭」は、2012年11月17日(土)〜2013年1月20日(日)の「期間」開催され、各店舗自慢の「極上さば料理」が楽しめるそうです。
(詳しくは「銚子うめぇもん研究会」HP「イベントのお知らせ」を参照下さい。)
「銚子漁港」に水揚げされる数多(あまた)ある「魚」の中でも人気がある「旬」の「さかな」「鯖」。
「鯖」が多く「水揚げ」されている「銚子市」に訪れてみてはいかがでしょうか?
備考
「銚子極上さば料理祭」の「極上さば」とは「銚子港」「水揚げ」のたった1%「1尾」800g以上の「脂」の乗った「希少品」なのだそうです。
また「当館」「犬吠埼観光ホテル」の「日帰り定食」にて「月替わり定食」(裏メニュー)として「鯖」を使った「定食」を用意しています。
(1日限定5食のみ・詳しくは「フロント」にお訊(たず)ね下さい。)