本日ご紹介するのは、地元「銚子市」「銚子漁港」で水揚げされる「魚」で「秋の味覚」「秋刀魚(さんま)」です。
「銚子漁港」(1月24日のブログ参照)は、「全国」でも屈指の「水揚げ高」を誇る「首都圏」の「台所」です。
「銚子漁港」では「魚」を大量に積んだ「船」が「全国各地」から入港しています。
そんななか、たくさんの「漁船」が連なる「銚子漁港」の前で軒を接しているのが「銚子の台所」「魚市場」(2010年12月18日・2011年1月26日のブログ参照)です。
「魚市場」は活気に溢れ、その日に「水揚げ」された「魚介類」を次々と売りさばいていきます。
「観光客」の皆さんでも「旬の味」を気軽に買い求めることができるように、「水産物卸売センター」「ウォッセ21」(2010年8月25日・2011年4月26日のブログ参照)があり、「ウォッセ21」では、「旬の魚」が「市価」よりも2〜3割ほど安く買い求められ、まとめて買うと更に安くしてもらえる場合もあるようです。
「銚子漁港」に「水揚げ」される「魚」ですが、「春」は「上り鰹(かつお)」、「めひかり」(正式名称「アオメエソ」)、「真鯛(まだい)」、「ホウボウ」、「ヤリイカ」(2010年11月20日のブログ参照)、「サヨリ」、「花鯛」、「マトウダイ」が水揚げされ、「夏」には「磯ガキ」(5月28日のブログ参照)、「マコガレイ」、「鰯(イワシ)」、「バイガイ」、「本鮪(ホンマグロ)」、「キハダマグロ」、「メイタカレイ」となっています。
「秋」は「秋刀魚」、「鯖(サバ)」、「車海老(クルマエビ)」、「マルガニ」(正式名称「ヒラツメガニ」)、「サルエビ」、「ボタンエビ」、「舌平目(シタビラメ)」が水揚げされ、「冬」には、「ビンナガマグロ」、「鮟鱇(アンコウ)」(2010年11月19日のブログ参照)、「平目(ヒラメ)」、「メカジキ」、「金目鯛(キンメダイ)」(2010年10月17日・2011年2月14日のブログ参照)、「ムツ」、「メヌケ」、「蛸(タコ)」、「メバチ」、「メダイ」となっており、一年を通して様々な「旬の魚」が水揚げされます。
「銚子」の「秋の味覚」の「代表格」「秋刀魚」(学名・Cololabis saira)は、「ダツ目・ダツ上科・サンマ科・サンマ属」に分類される、「海棲」「硬骨魚」の「1種」で「北太平洋」に広く生息しています。
「食用」とされ、特に「日本」では「秋の味覚」を代表する「大衆魚」です。
「秋刀魚」の「属名」Cololabisは、「ギリシア語」の「kolos(コロス、意味・short、短い)」と「ラテン語」「labia(ラビア、意味・lip、唇)」を合成したもので、「種小名」sairaは、「日本語」での「一古称」であり、「紀伊半島」の「方言名」で「サイラ(佐伊羅魚)」に由来しています。
「和名」「サンマ」の「由来」については、2つの有力な「説」があります。
「サ」(「挟」、意味・狭い、細い)に「起源」があるとして「細長い魚」を意する「古称」「サマナ(狭真魚)」が「サマ」〜「サンマ」と変化したとされる「説」がひとつ、「大群」をなして泳ぐ「習性」を持つことから「大きな群れ」を意する「サワ(沢)」と「魚」を意する「マ」からなる「ワサンマ」が「語源」となったという「説」がひとつだそうです。
「サンマ」は、古くは「サイラ(狭伊羅魚)」「サマナ(狭真魚)」「サンマ(青串魚)」などと読み書きされており、また 明治の「文豪」・「夏目漱石」は、1906年(明治39年)発表の「我輩は猫である」の中で「サンマ」を「三馬(サンマ)」と記しています。
これらに対して「秋刀魚」という「漢字表記」の「登場」は遅く、大正時代まで待たねばならないそうです。
現代では使用されるほとんど唯一の「漢字表記」となっている「秋刀魚」の「由来」は、「秋」に「旬」を迎えよく獲れることと、細い「柳葉形」で「銀色」に輝くその「魚体」が「刀」を連想させることにあり、「秋に獲れる刀のような形をした魚」との「含意」があります。
「秋」の「秋刀魚」は、「脂肪分」が多く「美味」であり、特に「塩焼き」は「日本」の「秋の味覚」の「代表」とも呼ばれています。
「日本」では、「塩焼き」にして「カボス」や、「スダチ」、「柚子(ユズ)」、「レモン」、「ライム」などの「搾り汁」や「ポン酢」、「醤油」などをかけ、「大根おろし」を添えて食べることが多いです。
また「秋刀魚」は「餌(えさ)」を食べてから排出する「時間」が30分と短いため、「内臓」にえぐみがなく、「塩焼き」の「はらわた」を好んだ食べる人も多いようです。
また「秋」になると「日本各地」で「サンマ祭り」が行われ、「目黒のさんま・さんままつり」や、「銚子の超おいしいサンマ祭り」(2011年10月6日・2010年10月6日のブログ参照)などが行われています。
また「秋刀魚の蒲焼き」の「缶詰」は「水産物缶詰」のなかでもポピュラーなもののひとつです。
「秋刀魚」は、近年では「刺身」としても流通しており、「脂」の乗り切らない「初秋」が食べ頃とされ、他の「青魚」と同様に「酢じめ」して食べる事もあり、「押し寿司」としても利用されています。
「秋刀魚」は、「関西」、「南紀」、「熊野」、「志摩」等、「紀伊半島」、「志摩半島」の一部において「サイラ」(学名はここから取られた)と呼び、「秋刀魚寿司」や「開き」にして「一夜干し」にしたものを焼いて食べるのが一般的で、「志摩」では「天岩戸」の「神饌」のひとつで、11月23日には「岩戸」の前で「サンマ」を焼いて食べるそうです。
「伊豆」や「紀州」、「北陸」などでは「脂」の落ちた「サンマ」を「丸干し」に加工することもあります。
特に「サンマ」の「若魚」を「丸干し」にしたものは「針子(ハリコ)」と言い、「鈴鹿」では「カド」と呼ばれています。
「秋刀魚」には、「血液」の「流れ」を良くするといわれる「エイコサペンタエン酸」が含まれており、「脳梗塞(のうこうそく)」・「心筋梗塞(しんきんこうそく)」などの「病気」を予防する「効果」があるとされています。
また、「ドコサヘキサエン酸」も豊富に含まれており、「体内」の「悪玉コレステロール」(LDL)を減らす「作用」、「脳細胞」を活性化させ、「頭」の「回転」を良くする「効果」もあるとされています。
「生」の「秋刀魚」の「鮮度」の「見極め」ですが、以下の3点となっています。
「尾」を持ち「秋刀魚」の「頭」を上に向けたとき、「体」が曲がらずにできるだけ「まっすぐ」に立つもの
「目」が濁っていないもの
「口先」がほんのり「黄色い」こと
などと言われています。
「旬」の「秋刀魚」を買うも良し、味わうも良し、「新サンマ」を求めに「銚子市」に訪れてみてはいかがでしょうか?
備考
今年(2012年)も「銚子漁港」に8月28日(火)「秋刀魚」の「初水揚げ」が行われ、「新鮮サンマ」が47t(トン)水揚げされました。
例年より2週間早い「水揚げ」で、「新サンマ」は数量的には少ないものの「脂」がのっておいしい良い「秋刀魚」だそうです。
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地域情報::銚子 | 10:49 PM |