本日二つ目にご紹介するのは、地元「銚子市」で行われます「漕出式(こいでしき)」です。
「漕出式」は、年の初め、「航海の安全」と「大漁」を祈願して「漁船」が「川口沖合い」を航行することです。
「漕出式」は「乗り初め(のりぞめ)」とも呼ばれています。
「漕出式」ですが、「銚子」の「正月の風物詩」のひとつで、「航海の安全」と「豊漁」を祈願して行っています。
「銚子」は、日本有数の水揚げ量を誇る「漁業のまち」で、江戸時代「魚」を追い求めて北上した「紀州の漁師たち」により「外川漁港」が築かれて以降、「親潮」と「黒潮」がぶつかり合う豊かな「漁場」や「利根水運」などの「地の利」に恵まれ、「銚子の漁業」は発展してきました。
「櫓漕(ろこ)ぎ」の「船」の時代、「漁」は「板子一枚、下は地獄」のことわざ通り、常に「命の危険」と隣り合わせの仕事で、人知を超えた「自然の脅威」に直面することが多かった「漁師たち」は、おのずと「神仏」へのあつい「信仰心」を持つようになっていったそうです。
新しい年の初め、「漁師たち」はことさら「縁起」を担ぎ、昔から年初めの「良い日」を選んで「漕出」を行っていたようです。
「銚子漁港」で「漕出」を行う「船」は、全て「海」を見下ろす格好の「漁師の守り神」である「川口神社」(2010年12月22日のブログ参照)で祈願するそうです。
昔は「海」から「川口神社」にお参りするには、「港」から出た「船」を左へと旋回させて「神社前」で「お神酒(みき)」を上げました。
それは、「船の神様」が「船」の「左側」に座っているからだと伝えられてきたからだそうです。
現在、「導流堤」ができて「航路」が狭くなったこともあり、神社前で旋回する「船」は少なくなりましたが、各船思い思いに「お神酒」を上げ、参拝しています。
「漕出式」は「銚子漁港」だけでなく、「外川漁港」でも見ることができるようです。
「漕出式」に出港する「漁船」には「大漁旗」を掲揚しています。
遠目にも鮮やかな「大漁旗」は、「銚子」らしい「色彩」で、「冬の海」に映え、見事な「光景」です。
「大漁旗」をなびかせた「船」が次々に出港する様子は活気にあふれ、勇壮で見事な「銚子」ならではの「新年の光景」と言えます。
「海の男」たちの「仕事始め」でもある「漕出式」。
「年の初め」の「銚子の風景」「漕出式」を見に訪れてみてはいかがでしょうか?
備考
「漕出式」で「漁船」に掲揚している「大漁旗」は、伝統的な「萬祝式(まいわいしき)」という「染め方」によるもので作られています。
「萬祝式大漁旗」は、「漕出式」、「進水式」など、「漁船」に飾られるほか、「結婚式」、「出産祝い」、「新築・開店祝い」などにも人気があります。
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地域情報::銚子 | 09:03 AM |