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「椿の海伝説」その2(匝瑳市)
 本日二つ目に紹介するのは、近隣市「匝瑳市」に伝わる「椿の海伝説」その2です。

 東総に伝わる「逸話」「椿の海伝説」ですが、土地土地で話が少しづつ変わっています。
 今回は「匝瑳市」に伝わる「椿の海伝説」を二つ紹介します。

 「匝瑳市」に伝わる「椿の海伝説」は以下の二つです。

 その一
 昔々、大きな「椿の木」があった。
 その「椿の木」の樹令は、八十万八十年と言われ、春になって花が咲くと、紅(べに)の花のために、天がまっ赤になり、やがてその花びらが散ると、またそのあたり一面はまっ赤な錦(にしき)をしきつめたようになったと言われている。
 この老大木が枯れ果てて、残った根の跡がこの椿湖(つばきのみずうみ)だということだ。

 その二

 遠い昔、海上(うなかみ)、匝瑳(そうさ)、香取(かとり)の三郡にまたがる枝をもった大きな「椿の木」があった。
 この木は、「猿田彦命」(さるだひこのみこと)が国を分ける時に、国境に植えたものだったと伝えられている。
 日本の三大木の一つにあげられているだけあって、いつも天上には雲や霞(かすみ)がかかり、昼でも夜のように暗かったそうだ。
 「鬼満国(おにまんごく)」の魔王は、日本の国を滅ぼして、自分の国にしようと、この「椿の木」に住みついて長い間狙っていた。
 そこで、「海上の国」におった「猿田彦命」は、「香取」の「経津主命(ふつぬしのみこと)」、「鹿島」の「建御雷命(たけみかずちのみこと)」の力をかりて、「魔王」を退治することにした。
 早速、「二神」は「魔王」に戦いを挑んで、「天」の「鹿島弓(かしまゆみ)」という力の強い弓に、「天」の「羽々矢(ははや)」という羽の広い大きな矢をつがえ、「魔王」目掛けて「ビューン」、「ビューン」と射った。
 不意をつかれた「魔王」は、初め慌てていたが、もともと力の強い奴「ウォー」、「ウォー」と唸(うな)りながら、「椿の木」を抱え込んで揺った。
 「わさ、わさ、わさ、わせ」木が動くたびに、天と地が引っくり返りそうに揺れた。
 「香取」、「鹿島」の「神様」も負けてはいない。
 「天」の「羽々矢」を打ち続けた。
 「魔王」は、堪(たま)らず「椿の木」を根こそぎ引っくり返して、「東の海」に飛び去ってしまった。
 そして、「椿の木」が抜けた跡に水が溜まり、大きな湖となり、それが「椿の湖」と言われるようになった。
 「椿の木」が倒れた方向によって、上の方が「上総(かずさ)」、下の方が「下総(しもうさ)」と呼ばれている。
 現在の「旭市」に「矢指(やさし)」という地名があるが、「魔王」を退治した「天」の「羽々矢」が飛んでいった方向だと言われている。
 見事に「魔王」を退治した「香取」、「鹿島」の「二神」は、これよりこの地方の「守護神」として崇(あが)められるようになった。
 (以上「匝瑳市役所」HPより抜粋)

 以上が「匝瑳市」に伝わる「椿の海伝説」です。

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