本日ご案内するのは、地元「銚子市」「浄国寺」で2月16日(木)に開催されます「浄国寺お宝めぐり」です。
「浄国寺」(2010年11月23日のブログ参照)ですが、「銚子市」「春日町」に鎮座する「一立山 無衰院 浄国寺」という「浄土宗」の「寺院」で、「浄国寺」の「御本尊」ですが、「阿弥陀如来」、「浄国寺」の「創建」ですが、建長7年(1255年)「記主禅師」「浄土宗第三祖良忠上人」(然阿良忠(ネンナリョウチュウ)上人)が開山したと伝えられています。
「浄土宗」「所蔵」「海上郡浄国寺事実」(1728年)によると、「浄国寺」の「開基事実」を尋ねても定かではなく、「開創時」の「資料」の無いことを嘆いており、「中興」・「啅助上人」は、この地が、「良忠上人」「縁故の地」であるとして「庵」を結んだとあり、その後、寛文元年(1661年)「顕誉智典上人」が「庵」を訪ね、現在の地に「一寺」を建立することを願い、「深川霊厳寺」の「末寺」となり、「立山無衰院浄国寺」と号したとあるそうです。
この「寺号」に関して、「浄国寺」「所蔵」の「称賛寺規式条々」(「海上氏」「菩提寺」の「寺内法度」)「裏書」には、「海上氏」が滅び、「称賛寺」も衰退してしまい、現在の地に再建しましたが、「東照山称賛寺」の「寺号」が「徳川家」に憚(ハバ)られるので、「熊野権現」の「夢告」に従い、今の「山号」・「寺号」を決めたと記されており、「寺内法度」である「規式条々」正和元年(1312年)の他、「海上氏」「当主」の「烏帽子(エボシ)」、「海上胤秀」・「内室妙考」・「蔵人親子の像」が伝わっているそうです。
(「三像」は「戦災」で「焼失」)
「浄国寺」「境内」の「概観」等ですが、その後、延宝から正徳年間に出来上がったもので、「深川霊厳寺志」には
「開山記主禅師東関開創四八字随一云々」
とあり、江戸期には「銚子」の「興隆」と共に発展しましたが、享保8年(1723年)と、「太平洋戦争」で、「諸堂」「字」を焼失してしまったそうで、現在の「浄国寺」「本堂」ですが、昭和37年(1962年)に再建、「浄国寺」「山門」ですが、平成15年(2003年)に再建されています。
現在の「浄国寺」ですが、「千葉県下」「浄土宗」「寺院」「筆頭」の「別格寺院」となっています。
「浄国寺」の「西北」には、「望西台」と呼ばれる「高台」があり、明和年間(1764年〜1771年)に、この台にあった「日観亭」という「庵」で、「望西八景」の「歌会」が行われ、文化・文政年間(1804年〜1818年・1818年〜1830年)には、多くの「文人」・「墨客」が訪れており、「夏目成美」の「序」で始まる「墨画帖」には、「小林一茶」・「渡辺華山」等、多くの「文人」・「墨客」の「筆」が、「浄国寺」に残されているそうです。
尚、「望西台」ですが、「浄国寺」「墓地」の一番「西側」にあり、かつては「眼下」に「銚子」の「市街地」や、「利根川」(2011年10月9日のブログ参照)、「茨城県」「波崎方面」(茨城県神栖市方面)が望めたようで、ここで詠まれた「句」が、「浄国寺」に残っているそうです。
しかし現在は、「浄国寺」「崖下」近くに「住宅」や、「アパート」が建ち、「往時」の「面影」が薄らいでいるそうですが、平成17年(2005年)7月、「浄国寺」・「檀徒総代」・「鴎俳句会(カモメハイクカイ)」等の手によって、「浄国寺」「所蔵」の「墨画帖(ボクガチョウ)」に書かれている
この台の清風ただちに心涼しく 西方仏土(サイホウブッド)もかくやあらんと
ほととぎす 爰(ココ)をさること 遠からず 一茶坊
と刻んだ「句碑」が建立されています。
また「浄国寺」「境内」には、これら「文人」・「墨客」に尽くした「行方屋」・「桂丸」(大里家)の建立した「芭蕉句碑」(松尾芭蕉)、近年、上述の「浄国寺」に建てられた「一茶句碑」等があります。
また「浄国寺」には、
古池や 蛙(カワズ)飛び込む 水の音
等の「俳句」を残した江戸時代の「俳人」「松尾芭蕉」の「碑文」
枯枝に からすのとまりけり 秋の暮 はせお
という「句碑」が、「浄国寺」「本堂」「左側」の「熊野大権現」の「側(ソバ)」にあります。
この「句」は、
つるべ落としの秋の陽が西山に傾く頃、ふと見上げた大木の枝に葉が一枚もなく、1羽のカラスがとまっているのがなんともいえず淋しい
という「意味」なのだそうで、この「碑」は「高さ」1m25cmの「自然石」で、「桂丸(カツラマル)」(「銚子」の「俳人」、「大里庄治郎家」「六代目」で、「名」を「富文」という)と、「野崎小平次(ノザキコヘイジ)」によって、弘化2年(1845年)に建立されたそうです。
「松尾芭蕉」の「句碑」の「説明板」には、下記の「文言」が記されています。
広大な浄国寺境内の夕暮れには、今でもこうした情景に出会いそうです。
芭蕉がこの寺を訪ねた記録はありませんが、檀家の行方屋庄次郎(俳号桂丸)が、句碑の片隅に「あきの夕(ユウ) 誰(タ)が身のうへぞ 鐘がなる」の句が添えてあります。
地元の豪商大里庄次郎と野崎小平次が、俳聖(ハイセイ)芭蕉を追慕して弘化2年に建てました。
〜原文まま表記〜
ちなみに「大里庄治郎家」(行方屋(ナメガタヤ))ですが、「茨城県」「行方市」の「出身」で、「行方屋」は「銚子」で「御殻宿」(東北諸藩廻米問屋)として「銚子湊」の「繁栄」を支えたそうです。
また「大里庄治郎家」は、「銚子」を代表する「旧家」で、「銚子市長」や、「銚子市議会議長」、「銚子商工会議所会頭」等を代々務めた「家柄」なのだそうです。
「浄国寺」には、その他「墓地内」に「詩人」・「宮崎丈二の墓」があり、「江戸相撲」の「長老」であった「初代 千賀ノ浦 関」の「墓」、「酒仏」とも呼ばれ、「酒」に関する「祈願」・「願掛け」をする「酒徳利」・「猪口」・「御膳」の形をした「お墓」(「鈴木玄庵」という「医師」の「墓」、「師」の「人徳」を慕う「人々」が没後、建立し、礼拝、祈願をするようになった)等があります。
「浄国寺」「年中行事」は、下記の通りです。
1月1日 修正会(シュショウエ)
3月8日(旧暦) 徳本上人奉賛大施餓会(トクホンショウニンホウサンオオセガキエ)
併修、外川・阿姫(おさつ)供養 (外川漁港・高神)
3月 春季彼岸会(シュンキヒガンエ)
4月8日 釈尊降誕会(シャクソンコウタンエ)
7月 お盆・棚行(タナギョウ) (東京近郊)
8月1日〜7日 新盆七日法要
8月13日〜15日 お盆・棚行
8月16日 施餓鬼会
8月24日 地蔵盆
8月24日 川口千人塚施餓鬼会
9月 秋季彼岸会
10月第3土曜日 十夜法要・書道展
12月31日 除夜の鐘
「浄国寺」では、平成23年(2011年)11月に、「東日本大震災」と、「福島第一原発事故」で、「避難生活」を余儀なくされていた「福島県」「相馬市」の「小学生」を「銚子」に招いた「子ども寺子屋イン銚子」(2011年11月24日のブログ参照)を開催しました。
「子ども寺子屋イン銚子」では、「福島県」「相馬市」の「小学生」が、「銚子」の「小学生」と交流し、「地球の丸く見える丘展望館」(2010年8月30日のブログ参照)や、「犬吠埼」(2012年4月16日のブログ参照)、「犬吠埼灯台」(2011年1月1日のブログ参照)を観光した他、「銚子駅前イルミネーション事業」「LIGHTING CEREMONY(点灯式)」(2011年11月23日のブログ参照)に参加、「浄国寺」にて「チャリティ・コンサート」に参加されています。
「浄国寺」「境内」には、「樹齢」100年にも及ぶ「雌雄一対」の「大銀杏」や、「松」、「梅」等の「古木」が立ち並び、「梅」の「開花時期」には、多くの「観梅客」や、「参拝客」の「人々」が訪れます。
「浄国寺」「境内」の「庭」は、「銚子」の「おすすめ観光スポット」のひとつで、中でも「樹齢」300年以上になる「紅梅」・「白梅」が美しい「梅の木」が有名です。
「浄国寺」の「梅」(2011年2月4日のブログ参照)ですが、「銚子地方」の「梅」の「標本木」(標準木)であり、「銚子」の「春の訪れ」を知らせる「木」として知られています。
「由緒」ある「寺院」「浄国寺」では、2月16日(木)10時00分から15時00分まで「浄国寺お宝めぐり」を開催するそうです。
「浄国寺お宝めぐり」ですが、通常「一般公開」されていない「小林一茶」、「渡辺華山」の「直筆」の「書」や、「徳本上人諸侍記」、「釈迦涅槃御掛軸」、「地獄図御掛軸」等、「浄国寺」「所蔵」の「宝物」が「年」に一度、「開催当日」に限り「特別公開」されるそうです。
なお「浄国寺お宝めぐり」ですが、「無料」で参加できるそうです。
「銚子」の「名刹」「浄国寺」で開催される「浄国寺」「寺宝」を公開する「年」に一度の「特別公開」「浄国寺お宝めぐり」。
この機会に「銚子市」に訪れてみてはいかがでしょうか?
「浄国寺お宝めぐり」詳細
開催日時 2月16日(木) 10時〜15時
開催会場 浄国寺 銚子市春日町23
問合わせ 銚子市観光商工課 0479-24-8707
備考
「銚子地方気象台」(2011年1月5日のブログ参照)によりますと、1月17日(火)に「職員」が、「浄国寺」「境内」にある「樹齢」300年以上の「銚子地方」の「梅」の「標本木」(標準木)の「開花」を確認されたそうです。
「浄国寺」の「梅」の「開花」ですが、昨年(2016年)より1日遅い「開花」であったそうで、平年(1月20日)と比べ3日早い「開花」だったそうです。
ちなみに「銚子地方」の「標本木」(標準木)「浄国寺」の「梅」の「花」の「最早」の「開花日」ですが、1998年(平成10年)1月3日だったそうで、「最晩」の「開花日」ですが、1967年(昭和42年)2月26日だったそうです。