本日ご案内するのは、先(1月3日)のブログで紹介した「常世田薬師御開帳」で知られている「常灯寺(じょうとうじ)」です。
国の「重要文化財」指定「木造薬師如来坐像」を有し、千葉県指定「有形文化財」を受けている「常灯寺本堂」など文化財の多い寺社です。
1月8日の「常世田薬師御開帳」では、7時〜12時まで「重要文化財」が一般公開され、多くのファンや関係者の方々が訪れたようです。
「御開帳」当日は、「常灯寺」「本堂」にて、地元「銚子八中」の生徒達による鳴り物が演奏され、「大和ばやし」「安波ばやし」「銚子大漁節」「早打ちばやし」が披露(奉納)されました。
ところで「常灯寺」は、解体修復が決定され、この歴史ある「本堂」は本年一杯で見納めになるようです。
銚子市が平成22年度から平成27年度までの6か年で解体修理事業を実施する計画を立て、平成22年度事業に対する「千葉県文化財保存整備事業」への補助申請を行い、事業認定を受け、今期(2011年)から解体修復工事が開始されるようです。
解体修復される「本堂」ですが、正面5間(9m)側面6間(10.8m)の仏堂で、屋根は草葺の寄せ棟作り。
内部は表側2間(3.6m)、通りを外陣とし、奥に宮殿を安置した「須弥壇」を設けています。
宮殿は方1間(1.8m)の大規模なもので、正面と側面に扉を設け、内側の両側と背後1間(1.8m)、通りは庇的な空間としています。
宮殿の天井は格天井で、禅宗様出組に板蟇股を付し、本堂と同時期のものと考えられており、県内の密教系仏堂の代表例のひとつとして考えられており、建築年代は棟札より寛文13年(1673年)だそうです。
「常灯寺」では「写経奥書」も有名で、元和7年(1621年)の朱漆書銘のある経櫃6箱に「大般若経」600巻が収蔵されています。
奥書にみる地名は、現在の銚子から海上郡南部・匝瑳郡の一部と広域にわたっているそうです。
さらに「常世田薬師」の参道、石階に到る少し手前の右崖に洞窟が開口しているのが「石仏洞」です。
内部に奥深く進むと、「く」の字に曲折して鐘楼下の崖に出る。
片側に高さ二尺五寸(82.5m)、内側の石仏が1間置きにはめこんであることから、進行のため営んだものと考えれているようです。
また「海上郡誌」によりますと、「(洞窟の)長さ60間(108m)幅及高さ6尺(198cm)以上あり、周囲49薬師と称する49体の石仏を安置す」と記されているようです。
関東有数の仏像「木造薬師如来坐像」を有する「常灯寺」。
修復工事により、暫し見納めになるようです。
備考
「常灯寺」の「薬師如来坐像」の背面・両腰脇・両脚部に「墨書銘」があり、仁治4年(1243年)に仏師「豪慶(ごうけい)」によって修理されたことがわかるそうです。
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地域情報::銚子 | 09:44 AM |