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「大浦牛蒡(おおうらごぼう)」(匝瑳市)
 快晴の犬吠埼。
 本日も多くの日帰りのお客様が御来館されています。

 そんな中、本日は近隣市 匝瑳市の千葉県伝統野菜「大浦牛蒡(おおうらごぼう)」(以下 「大浦ごぼう」と表記)を紹介します。

 「大浦ごぼう」は、京野菜の「堀川ごぼう」と同じで、太く中心に穴の空いている独特な形状をしています。
 栽培法は、3月頃に種を播き、11月から翌年1月下旬が収穫期です。
 通常のごぼうと同じ様に栽培しても、太く育つ品種。
 非常に柔らかく、味のしみやすい、美味しい牛蒡なのだそうです。

 しかし「大浦ごぼう」の良いものは「成田山新勝寺」と契約した1000本しかないので、基本的に市中には出回らないそうです。
 (朝市等に規格外品や含め煮にした加工品が若干出回ることがあるそうです。)

 一説に、「大浦ごぼう」は、二百数十年も前に「大浦村」の「鈴木四郎兵衛」という人が、ごみ捨て場に生える「大きなごぼう」を発見し改良したとされています。

 また、「大浦ごぼう」には次のような逸話が残っています。
 昔、「平将門の乱」を討伐する為に、朝廷から派遣された「藤原秀郷」が、「成田山新勝寺」で先勝祈願をした際、この「大浦ごぼう」を肴に酒宴を開きました。
 結果、戦は大勝利。
 そこで再び「新勝寺」に参詣し、「大浦ごぼう」の料理で祝ったとされています。
 以来、「大浦ごぼう」は「勝つごぼう」と呼ばれ、縁起の良い物として、この地方で大切に守り育てられてきたそうです。

 そういった事から、「勝つごぼう」「勝ちごぼう」と呼ばれ、今でも「成田山新勝寺」の「精進料理」に用いられているそうです。
 また、栽培地である地元(匝瑳市)のお祝い料理にもつかわれているようです。

 現在、8戸の農家が責任と誇りを持ちながら「大浦ごぼう」栽培に取り組んでいます。
 種(たね)は門外不出で、代々自家採取が行われているようです。
 栽培法は、水捌けの良い腐植の多い傾斜畑が適し、また連作に弱いので同じ畑では5年に1回ほどの栽培としています。

 直径30cm、長さ1mにも及ぶ「巨大ごぼう」の「大浦ごぼう」。
 「成田山新勝寺」だけ毎年奉納され、全国から参詣に訪れる信徒に出す「精進料理の縁起物」として使われているようです。

 備考
 「大浦ごぼう」は、匝瑳市の「指定天然記念物」になっています。
 野菜が文化財として指定されるのは珍しいことです。

| http://www.inubou.co.jp/blog/index.php?e=330 |
| 地域情報::匝瑳 | 02:01 PM |

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