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「第83回収蔵品展」「国宝伊能忠敬関連資料の世界」(香取市)
 本日ご紹介するのは、となりまち「香取市」「伊能忠敬記念館」で3月29日(火)〜5月15日(日)の期間開催されます「第83回収蔵品展」「国宝伊能忠敬関連資料の世界」です。

 「佐原の町並み」は、「香取市」「佐原」の「市街地」にある「歴史的」な「建造物」が残る「風情」のある「町並み」です。
 「佐原」は、江戸時代に「利根川東遷事業」により「舟運」が盛んになると、「小野川」(2012年9月7日のブログ参照)には、「物資」を「陸」に上げるための「だし」と呼ばれる「河岸施設」が多くが作られました。
 明治以降もしばらくは「繁栄」は続き、「自動車交通」が発達し始める昭和30年(1955年)頃までにかけて、「成田」から「鹿島」にかけての「広範囲」な「商圏」を持つ「まち」となっていました。
 上記のように「利根川水運」で栄えた「商家町」の「歴史的景観」を「今」に残す「佐原の町並み」が、「市街地」を「南北」に流れる「小野川」沿い、「市街地」を「東西」に走る「香取街道」、及び「下新町通り」などに見ることができます。
 「佐原の町並み」ですが、「佐原」が最も栄えていた江戸時代末期から昭和時代前期に建てられた「木造町家建築」、「蔵造り」の「店舗建築」、「洋風建築」などから構成されています。
 「佐原の人々」は、「江戸の文化」を取り入れ、更にそれを「独自の文化」に昇華していて、「江戸優り(エドマサリ)」といわれるほど栄えていたそうで、「当時」の「面影」・「歴史景観」を「今」に残し、またそれを活かした「まちづくり」に取り組んでいることが認められ、「佐原の町並み」は、平成8年(1996年)12月、「関東」で初めて「国」の「重要伝統的建造物群保存地区」(重伝建)に選定されています。
 「佐原の重伝建」は「昔」からの「家業」を引き継いで「今」も「営業」を続けている「商家」が多いことから、「生きている町並み」としても評価されています。

 「重要伝統的建造物群保存地区」には、「佐原の偉人」「伊能忠敬」(2011年3月5日のブログ参照)が過ごし、寛政5年(1793年)建築された「伊能忠敬旧宅」(国指定史跡)(2012年2月24日のブログ参照)のほか、「千葉県」の「県指定有形文化財」も「8軒」(13棟)が「小野川」沿いや「香取街道」沿いに「軒」を連ねています。
 「重要伝統的建造物群保存地区」「千葉県指定有形文化財」ですが、大正3年(1914年)建築の「三菱館」(2012年1月27日のブログ参照)、「土蔵」が明治元年(1868年)「店舗」が明治28年(1895年)建築の「福新呉服店」(2012年4月29日のブログ参照)、「店舗」が安政2年(1855年)「土蔵」が明治25年(1892年)以降に建築の「中村屋商店」(2012年5月21日のブログ参照)、明治13年(1880年)建築の「正文堂書店」(2013年6月22日のブログ参照)、「店舗」が天保3年(1832年)「土蔵」が明治元年(1868年)建築の「いかだ焼き本舗正上」(2011年12月28日のブログ参照)、「店舗」が明治25年(1892年)「土蔵」が明治23年(1890年)建築の「小堀屋本店」(2012年8月31日の
ブログ参照)、明治25年(1892年)建築の「中村屋乾物店」、「店舗」が明治33年(1900年)「土蔵」が寛政10年(1798年)に建築の「旧油惣商店」が指定されています。

 「樋橋(トヨハシ)」(2012年2月13日のブログ参照)は、「香取市」「佐原」に架かる「橋」で、「通称」「ジャージャー橋」とも呼ばれています。
 「樋橋」ですが、もともと江戸時代に「小野川」「上流」でせき止めた「農業用水」を「佐原」の「関戸方面」(現「佐原駅方面」)の「田」に送るために「小野川」に架けられた、大きな「樋(トヨ)」だったそうで、その「樋」を「人」が渡るようになり、昭和時代に「コンクリート橋」に、1992年(平成4年)に現在の「橋」になったそうで、「橋」を造る際に、かつての「ジャージャー橋」の「イメージ」を再現するため、「水」が落ちるように造られました。
 なお「樋橋」ですが、1996年(平成8年)に、「環境省」の「日本の音風景100選」に選定されています。

 「小野川」は、「香取市」を流れる「一級河川」で「利根川水系」「利根川」(2011年10月9日のブログ参照)の「支流」です。
 「利根川」の「支流」である「小野川」は、江戸期より「水運の集散地」として「佐原のまち」を発展させました。
 2004年(平成16年)には、「佐原の市街地」の「洪水」を解消するため「香取市」「牧野地先」から「本宿耕地地先」「利根川」まで流す「小野川放水路」が完成しています。

 「伊能忠敬記念館」(2012年4月21日・1月29日・2011年3月8日のブログ参照)は、「佐原の偉人」「伊能忠敬」の「功績」を讃(タタ)え、その「功績」を余すところなく紹介している「記念館」です。
 以前、「伊能忠敬記念館」は、「伊能忠敬旧宅」の「敷地内」にありましたが、「記念館」「建設」から相当な「年月」が経ち、また、かつての「伊能忠敬記念館」の「展示面積」が手狭であったなどのことから、1998年(平成10年)5月22日に、「伊能忠敬旧宅」の「小野川」を挟んで「樋橋」を渡った「対岸」に新しく「伊能忠敬記念館」が設置されることとなり、「現在地」に「伊能忠敬記念館」が開館したそうです。

 「伊能忠敬記念館」では、「醸造業」などを営む「豪商」の「伊能家」に17歳で「婿養子」に入り、「家運」を盛り立て「佐原の名主」として活躍した「前半生」、そして50歳(49歳)で隠居して、のちに「江戸」に出て「勉学」に励み、56歳から71歳まで「計」10回にわたって「全国測量」を行った「伊能忠敬」の「人生」を、「年代順」に追って紹介しています。
 「伊能忠敬記念館」では、「国宝」に指定された「測量器具」や、「伊能図」の数々が展示され、「地球」1周分の「距離」を測量して歩いたという「伊能忠敬」の「業績」を偲ぶことができ、その「結晶」ともいえる「性格さ」と、「芸術的な美しさ」を備えた「地図」や、「伊能忠敬関連資料」などが展示された「伊能忠敬記念館」は、「香取市」「佐原」の「観光名所」のひとつとなっています。

 「伊能忠敬記念館」の「展示」の「概要」ですが、「佐原時代」、「全国測量」、「伊能図の完成」、「地図の世界」と分けられ、「内容」は、下記の通りです。

 佐原時代

 伊能忠敬50歳までの前半生を紹介

 伊能忠敬は、50歳で江戸に出るまで佐原の名主・村方後見を務め、家業では醸造業等を営んでいました。
 34歳の時松島への旅行では神社仏閣を訪ねる旅でしたが、48歳の時伊勢神宮への旅の途中には、緯度・方位観測を行っており、このころから天文や暦学への興味をいだいておりました。

 全国測量

 隠居してからの勉学と全国測量の行程を紹介

 江戸で、天文方高橋至時の弟子になり勉強を本格的に始めます。
 55歳で北海道南岸の測量を行い、以後計10回に及ぶ日本全国の測量を71歳まで行いました。
 伊能忠敬は73歳で亡くなりますが、彼の没後3年にして日本全図は完成しました。

 伊能図の完成

 伊能図の数々を紹介

 伊能図には、1821年(文政4年)完成の「大日本沿海輿地全図」(大図214枚縮尺36000分の1、中図8枚縮尺216000分の1、小図3枚縮尺432000分の1)のほか、測量ごとに作った地図や名勝地を描いたものなど、多くの種類があります。
 いずれの地図も実際に測量してつくられたので、とても正確であるとともに、芸術的な美しさを備えています。
 (国宝の伊能図や測量器具は2ヶ月ごとに展示替えを行っています)

 地図の世界

 日本地図の歴史や、楽しい世界の地図を紹介

 伊能忠敬がつくった伊能図により日本の正確な姿が紹介された19世紀以前において、ヨーロッパの人々は日本の姿をどのように理解していたのでしょうか。
 ヨーロッパから見れば極東の地である日本については、さまざまな憶測やとぼしい地理的情報に基づいて描いていました。
 また、同時に日本人は自分の国の姿をどのように理解していたのでしょうか。
 地図はその時の時代観、宗教観、目的によってさまざまな形をとります。
 見ても楽しく興味深いものです。

 「伊能忠敬関連資料」ですが、平成22年(2010年)6月29日に「重要文化財」から「国宝」に指定された2345点の「資料群」です。
 「国宝」に指定された「資料」は、「地図・絵図類」、「文書・記録類」、「書状類」、「典籍類」、「器具類」に分類され、「伊能忠敬」の「全国測量」に関る「資料」のほか、「孫」の「忠誨(タダノリ)」の「資料」も含まれています。
 ちなみに「国宝」とは

 「国が指定する重要文化財のうち、世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝」

 と評価され指定された「資料」のことです。

 「国宝」「伊能忠敬関連資料」「概要」ですが、「地図・絵図類」、「文書・記録類」、「書状類」、「典籍類」、「器具類」となっており、「国宝」「伊能忠敬関連資料」「概要」・「目録」は、下記の通りです。

 「国宝」「伊能忠敬関連資料」「概要」・「目録」

 「地図・絵図類」787点

 採色された伊能図、その元となった下図(シタズ)、測量経路の風景を鳥瞰図的に描いた麁絵図(アラエズ)、各測量地から提出された参考絵図などがあります。
 伊能図の作成過程をうかがい知り、また各地の測量技術を明らかにできる貴重な資料群です。

 「文書・記録類」569点

 日本全国測量中の日記、山などの方位を測った山島方位記、夜に天体観測した星の観測記録、先生である高橋至時の御用日記、測量御用の辞令や先触、伊能忠敬の孫である伊能忠誨(タダノリ)が作成した星図などの資料です。

 「書状類」398点

 伊能忠敬直筆の書状のほか、息子景敬、娘イネなどの親族、先生の高橋至時・高橋景保、尾形謙二郎や坂部定兵衛など弟子たち、友人の江川英殻・久保木清淵や諸藩の役人との書状があります。

 「典籍類」528点

 伊能忠敬が学んだ暦学書、測量書、和算書や測量に関わる中で集めた地理書などがあります。

 「器具類」63点

 地上測量の器具には、量程車や半円方位盤、象限儀(小)などが、天体観測の器具には、緯度測量に使う象限儀(中)、経度測定に使う水揺球儀があります。
 また、地図を作成する時に使った烏口や地図記号の印もあります。
 特に伊能忠敬の孫の伊能忠誨が使用した水揺球儀もあり、国内でも有数のコレクションとなっています。

 「第83回収蔵品展」「国宝伊能忠敬関連資料の世界」ですが、「伊能忠敬記念館」で開催される「企画展」で、3月29日(火)から5月15日(日)の「期間」行われるそうです。
 「第83回収蔵品展」「国宝伊能忠敬関連資料の世界」開催に際し、「伊能忠敬記念館」では、下記のように「鑑賞」を呼びかけています。

 当館所蔵の国宝「伊能忠敬関連資料」には、地図や測量道具だけでなく、伊能忠敬に関わるさまざまな資料が含まれており、全体は5つの部門に分類されます。
 地図・絵図類・文書・記録類、書状類、典籍類、器具類のそれぞれから、厳選した実物資料を展示し、国宝「伊能忠敬関連資料」の持つ奥深い世界を紹介していきます。

 「佐原の偉人」「伊能忠敬」の「生涯」・「功績」を余すところなく紹介している「伊能忠敬記念館」で開催される「企画展」「第83回収蔵品展」「国宝伊能忠敬関連資料の世界」。
 この機会に「香取市」に訪れてみてはいかがでしょうか?

 「第83回収蔵品展」「国宝伊能忠敬関連資料の世界」詳細

 開催期間 3月29日(火)〜5月15日(日)

 開館時間 9時〜16時半 (最終入館〜16時)

 開催会場 伊能忠敬記念館 香取市佐原イ1722-1

 入館料  大人500円 小・中学生250円

 休館日  月曜日 (祝日の場合は開館) 年末年始

 問合わせ 伊能忠敬記念館 0478-54-1118

 備考
 「伊能忠敬記念館」、「伊能忠敬旧宅」の「標準見学時間」ですが、「伊能忠敬記念館」は、20分から30分となっており、「伊能忠敬旧宅」は、5分から10分となっています。

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