本日ご案内するのは、近隣市「成田市」「成田山新勝寺」で5月17日(土)に開催されます「第37回奉納梅若成田山薪能」です。
「成田山新勝寺」(2010年11月14日・15日・16日のブログ参照)は、「成田市」にある「真言宗智山派」の「寺」であり、「真言宗智山派」の「大本山」のひとつです。
「成田山新勝寺」は、1000年以上の「歴史」をもつ「全国有数」の「霊場」で、「成田」を「代表」する「観光地」でもあり、「正月3が日」には約300万人、「年間」約1000万人以上の「参拝客」が訪れています。
「成田山新勝寺」の「御本尊」は「不動明王」で、「成田山新勝寺」は上記のように「関東地方」「有数」の「参詣人」を集める「著名寺院」で、「家内安全」、「交通安全」などを祈る「護摩祈祷」のために訪れる方が多い「不動明王信仰」の「寺院」のひとつであり、「成田のお不動さま」の「愛称」で親しまれています。
「成田山新勝寺」の「御本尊」である「不動明王」ですが、「真言宗」の「開祖」「弘法大師」「空海」が自ら「一刀三礼」(ひと彫りごとに三度礼拝する)の「祈り」をこめて「敬刻開眼」された「御尊像」なのだそうです。
「成田山新勝寺」では、この「霊験」あらたかな「御本尊」「不動明王」の「御加護」で、千年以上もの間、「御護摩」の「火」を絶やすことなく、「皆様」の「祈り」が「一体」となり「清浄」な「願い」となって現れるそうです。
「成田山新勝寺」は、「開山1080年」を間近に控えた現在も「成田山のお不動さま」として数多くの「人びと」の「信仰」を集めています。
「成田山」の「開山の祖」「寛朝大僧正(かんちょうだいそうじょう)」は、延喜16年(918年)に生まれ、天慶3年(940年)「平将門の乱」を鎮めるため「朱雀天皇」の「勅命」により「関東」に下り、「この地」に「成田山新勝寺」が開山されました。
「寛朝大僧正」は、「皇室」との「血縁」もある大変に「格」の高い「僧侶」で、後に「真言宗」初めての「大僧正」に任じられ、「成田山」の他にも「京都」に「遍照寺」を開山しているそうです。
「成田山新勝寺」では、平成20年(2008年)に「開基1070年祭記念大開帳」が行われ、これにあわせて、平成19年(2007年)には「総欅造り」の「総門」が「落慶」され、「新勝寺」の「表玄関」として「荘厳」な「たたずまい」を見せています。
この「総門」は、開かれた「庶民のお寺」「成田山」と「門前町」とをつなぐ「担い手」として、「大開帳」を記念し創建されたもので、「総門」前にある「門前広場」は「参拝客」の「憩いの場」となっています。
「成田山新勝寺」ですが、「総門」をくぐって、「境内」に入ると大きな赤い「提灯」のある「仁王門」があり、「境内」には、数多くの「建造物」が立ち並んでいます。
「仁王門」から「東海道五十三次」にならった53段の「石段」を上がると、「成田山」の「シンボル」である「大本堂」が現れます。
「成田山新勝寺」「大本堂」では、「世界平和」と「人々の幸せ」を願って「開山」以来「毎日」欠かさずに「御護摩祈祷」が厳修されています。
この「御護摩祈祷」は、「一般の方」でも「大本堂」内でその「一部始終」を参拝することができ、中でも「朝護摩」は、4月から9月は5時30分、10月から3月は6時に厳修されています。
この「神聖」な「儀式」に参拝しようと、前の「晩」は近くに「宿」をとってこの「朝護摩」に訪れる「ご信徒」の方も数多くおられるそうです。
「成田山新勝寺」にある「釈迦堂」、「光明堂」、「表参道」にある「薬師堂」(2013年5月22日のブログ参照)ですが、「歴代」の「成田山」の「大本堂」です。
これほどの「数」の「御堂」が現存している「寺院」は大変珍しく、それぞれの「建物」には「建立時」の「建築様式」を「今」に伝えており、そのうちの「5棟」が「国」の「重要文化財」に指定されています。
「薪能」ですが、「奈良」・「興福寺」の「修二会(しゅにえ)」の際の「薪献進」に始まる「神事能」が「はじまり」と言われ、その時期は13世紀なかばと推定されています。
「薪能」は、「仏法」の「守護神」を迎えるための「聖火」の「薪」の「採取」に伴う「芸能」で、「薪猿楽(たきぎさるがく)」、「薪の神事」とも称されました。
「明治維新」や「第二次世界大戦」で一時途絶えたこともありましたが、「第二次世界大戦」後、1950年(昭和25年)「京都」・「平安神宮」の「京都薪之能」以来、「薪能」は新しい「傾向」として「全国各地」の「都市」や「寺社」で開催されるようになり、今日(こんにち)では「ビル」の林立する「都市空間」や「遊園地」の「野外劇場」が用いられるなど、「新機軸」の「薪能」、「ショー」としての「薪能」も増えつつあるそうです。
とはいえ、本来「屋内」で上演される「能」を「屋外」の「特設舞台」で鑑賞できることは、大変珍しく「貴重」な「機会」といえます。
「奉納梅若成田山薪能」(2013年5月13日・2012年5月12日・2011年5月12日のブログ参照)は、毎年「5月」の「第3日曜日」の「前日」に執り行われている「薪能」です。
「若葉」の芽吹く「不動の森」と「成田山平和の大塔」(2012年5月7日のブログ参照)を「背景」にして、「成田山新勝寺」「大本堂」の「奥」にある「光明堂」前に「特設舞台」が設けられ、「かがり火」の「炎」に照らされた「幽玄な世界」の中で「能」が上演されます。
この「幻想的」な「雰囲気」に包まれて、「一流」の「演者たち」が織り成す「日本古来」の「文化」にふれることができる「奉納梅若成田山薪能」には、多くの「地元客」、「観光客」が訪れます。
「第37回奉納梅若成田山薪能」ですが、上記のように5月17日(土)に開催され、「当日」14時から「成田山新勝寺」「光明堂」「参道入口」にて「整理券」が配布され、「開場」17時・「開演」18時で行われ、20時30分頃「終演」を予定しているそうです。
「第37回奉納梅若成田山薪能」の「会場」ですが、「成田山新勝寺」「光明堂」前「特設舞台」で開催され、「出演」「梅若宗家一門」、「演目」は「舞囃子」「猩々(しょうじょう)」、「狂言」「鐘の音(かねのね)」、「能」「高砂(たかさご)」となっています。
「第37回奉納梅若成田山薪能」の「入場券」ですが、「全席自由」(団体を除く)で「4000円」となっており、下記「取扱所」で「発売中」となっています。
成田山新勝寺 0476-22-2111 8時00分〜16時00分
成田観光館 0476-24-3232 9時00分〜17時00分(月曜休館)
成田市観光案内所 0476-24-3198 8時30分〜17時15分(年中無休)
チケットぴあ 0570-02-9999
「第37回奉納梅若成田山薪能」の「演目」ですが、下記のような「内容」ないし「あらすじ」となっています。
「舞囃子(まいばやし)」
1曲の主要な部分を、紋付き・袴で地謡と囃子によって舞うのが特徴です。
「猩々(しょうじょう)」あらすじ
中国の金山の麓、揚子の里、お酒を売れば、富み栄えることができるというお告げの夢を見て酒売りになった高風。
その高風のもとに通っていた不思議な客は、猩々の精でした。
高風が猩々との約束に従って、酒を湛えて潯陽の江で待っていると、水中から猩々の精が現れ、無邪気に舞い戯れた後、そのお礼として、酌めども尽きない酒の泉が湧く壺を贈った上で、酔いのままに臥します。
それは夢の中での出来事でしたが、酒壺はそのまま残り、高風の家は長く栄えたといいます。
曲の内容はシンプルで、ストーリーを追いかけることにより、祝賀、慶賀の雰囲気を現すことが主眼とされます。
今回は紋付袴姿と囃子の演目のクライマックス部分のみを演ずる、舞囃子でおおくりし、短時間で、最も面白い部分のみが観られるのが醍醐味なのだそうです。
「狂言」「鐘の音(かねのね)」あらすじ
主人が成人した息子のお祝いに、黄金の装飾をほどこした脇差しを送りたいので、太郎冠者(たろうかじゃ)へ鎌倉に行って「金の値(値段)」を聞いてこいと命令します。
ところが、太郎冠者は「鐘の音」と聞き違えてしまい、寺々の鐘の音を聴いてまわります。
「グワン」や「チーン」など、狂言師の擬音表現の面白さが見どころのひとつとなっているそうです。
「能」「高砂(たかさご)」あらすじ
九州から高砂の浦へとやってきた神主一行の前に、老人夫婦が現れます。
夜、老人に言われた通り住吉へと向かうと、住吉明神が現れ、舞を舞います。
「高砂」では、松が作品の中で重要な役割を果たしています。
古来、神が宿る木とされ、常緑なところから「千歳」とも詠まれることが多く、長寿のめでたさを表し、また、雌雄の別があり、夫婦を連想させます。
世阿弥はこの「能」を、「古今集」仮名序の「高砂、住の江の松も、相生の様に覚え」という一説を題材として作出したそうです。
「播州高砂、摂津の国住吉と、国を隔てて住ながらも、夫婦として暮らす老人老女」という人物設定で、長寿や老夫婦の睦まじさを称えるとともに、松の長生の睦まじさを称えるとともに、松の長生のめでたさを和歌の道の久しい繁栄になぞられ、美しい詞章とと、清々しい所作、舞いとで、傑出した表現を創り上げています。
「成田」の「名刹」「成田山新勝寺」で開催される「野外」で行われる「現存世界最古」の「舞台芸術」「第37回奉納梅若成田山薪能」。
この機会に「成田市」に訪れてみてはいかがでしょうか?
「第37回奉納梅若成田山薪能」詳細
開催日時 5月17日(土) 18時〜20時10分
開催会場 成田山新勝寺 成田市成田1
問合わせ 社団法人成田市観光協会 0476-22-2111
備考
「第37回奉納梅若成田山薪能」ですが、「雨天時」は、「光輪閣」4階「光輪の間」での「蝋燭能」となるそうです。