本日ご案内するのは、近隣市「成田市」「成田山新勝寺」で5月18日(土)に開催されます「第36回奉納梅若成田山薪能」です。
「成田山新勝寺」(2010年11月14日・15日・16日のブログ参照)は、「成田のお不動さま」の「愛称」で親しまれている「真言宗智山派」の「大本山」で、「関東三大不動」のひとつにあげられる「名刹」です。
「成田山新勝寺」は、天慶3年(940年)「寛朝大僧正」によって開基され、以来一千年余りもの「歴史」を持つ「全国有数」の「霊地」です。
「成田山新勝寺」は、「成田山」という文字通り「成田山新勝寺」「境内一帯」が小高い「山」になっています。
そして「成田山新勝寺」の「シンボル」・「大本堂」の「裏手」には鬱蒼(うっそう)と「樹木」が茂る一帯があり、こちらが「成田山公園」(2010年11月12日・2011年11月8日のブログ参照)となります。
「成田山公園」の「開園」は昭和3年で、16万5千平方mという「広大」な「公園」で、「園内中央」には「一の池」、「二の池」、「三の池」の3つの「池」があり、「池」の「周囲」には、「初春」は「梅」、「春」に「桜」、「初夏」の「新緑」、「秋」の「紅葉」と「四季折々」の「表情」を見せています。
また「成田山公園」「園内」には、「成田山書道美術館」(2011年6月5日のブログ参照)があり、「成田山公園」に隣接して「成田山霊光館」、「成田山仏教図書館」などがあります。
「成田山新勝寺」周辺には「見処」が多く、とても1日では見回れないほど「観光スポット」がたくさんあります。
中でも「成田山新勝寺」周辺は、「門前町」として昔から栄えており、「JR成田駅前」から「成田山新勝寺」に至る「成田山表参道」には、創業100年以上という「貫禄」を見せる「老舗」も多くあり、多くの「観光客」で賑わう「人気観光スポット」となっています。
「薪能」は、「奈良」・「興福寺」の「修二会(しゅにえ)」の際の「薪献進」に始まる「神事能」が「はじまり」と言われ、その時期は13世紀なかばと推定されています。
「仏法」の「守護神」を迎えるための「聖火」の「薪」の「採取」に伴う「芸能」で、「薪猿楽(たきぎさるがく)」、「薪」の「神事」とも称されました。
「明治維新」や「第二次世界大戦」で一時とだえたこともありましたが、「第二次世界大戦」後、1950年(昭和25年)「京都」・「平安神宮」の「京都薪之能」以来、「薪能」は新しい「傾向」として「全国各地」の「都市」や「寺社」で開催されるようになり、今日(こんにち)では「ビル」の林立する「都市空間」や「遊園地」の「野外劇場」が用いられるなど、「新機軸」の「薪能」、「ショー」としての「薪能」も増えつつあるそうです。
とはいえ、本来「屋内」で上演される「能」を「屋外」の「特設舞台」で鑑賞できることは、大変珍しく貴重な「機会」と言えます。
「奉納梅若成田山薪能」(2011年5月12日・2012年5月12日のブログ参照)は、毎年「5月」の「第3日曜日」の「前日」に執り行われます。
「若葉」の芽吹く「不動の森」と「成田山平和の大塔」(2012年5月7日のブログ参照)を「背景」にして、「成田山新勝寺」「大本堂」の「奥」にある「光明堂」前に「特設舞台」が設けられ、「かがり火」の「炎」に照らされた「幽玄な世界」の中で「能」が上演されます。
この「幻想的」な「雰囲気」に包まれて、「一流」の「演者たち」が織り成す「日本古来」の「文化」に触れることができる「奉納梅若成田山薪能」には、多くの「地元客」、「観光客」が訪れます。
「第36回奉納梅若成田山薪能」ですが、上記のように5月18日(土)に開催され、当日14時から「成田山新勝寺」「光明堂」「参道入口」にて「整理券」が配布され、「開場」17時・「開演」18時で行われ、20時30分頃「終演」を予定しているそうです。
「第36回奉納梅若成田山薪能」の「会場」は、「成田山新勝寺」「光明堂」前「特設舞台」で開催され、「出演」「梅若宗家一門」、「演目」は「舞囃子」「安宅(あたか)」、「狂言」「千鳥(ちどり)」、「能」「殺生石 白頭(せっしょうせき はくとう)」となっています。
「第36回奉納梅若成田山薪能」の「入場券」ですが、「全席自由」(団体を除く)で「4000円」となっており、下記取扱所で発売中だそうです。
成田山新勝寺 0476-22-2111 8時〜16時
成田観光館 0476-24-3232 9時〜17時(月曜休館)
成田市観光案内所 0476-24-3198 8時30分〜17時15分(年中無休)
チケットぴあ 0570-02-9999
「第36回奉納梅若成田山薪能」の「演目」ですが、以下のような「内容」ないし「あらすじ」となっています。
「舞囃子(まいばやし)」
1曲の主要な部分を、紋付・袴で地謡と囃子によって舞うのが特徴です。
「安宅(あたか)」
「安宅」は成田屋の十八番(おはこ)「勧進帳(かんじんちょう)」のもととなった演目です。
平家討伐に功績をあげながらも、兄・頼朝に追われる身となった源義経は、弁慶をはじめとした家臣と共に山伏に身を変えて都落ちし、奥州平泉をめざし旅を続けてきました。
その話を耳にした頼朝は関所をもうけ、義経の一行を捕えるよう命令を下します。
その関のひとつ加賀の国安宅の関に、山伏の扮装をした義経の一行が関へとやってきます。
不審に思った富樫が、「東大寺の勧進聖ならば勧進帳をもっているはず。」とせまったので弁慶は、間に合わせた巻物を本物の勧進帳のように読み上げます。
一端は通行を許す富樫だったが、強力に変装した義経を見つけ、問いただすと弁慶は義経を責めたて金剛杖で打ちすえるのでした。
その迫力に押された富樫は通行を許し、今までの非礼を詫び酒宴となります。
弁慶は富樫の罠と疑いつつ、座興に延年の舞を舞い、暇と告げて陸奥へと落ちのびていくのでした。
終曲まで気の抜けない展開で能の音楽的な面や舞踏的な面白さをも十分に味わえる曲です。
「狂言」「千鳥」あらすじ
急な来客に、主は行きつけの酒屋に酒を一樽取って来いと太郎冠者に言いつけます。
太郎冠者は「ツケもたまっているので無理だ。」と断りますが、「その酒を一番初めに飲ませてやる。」という主の言葉につられて酒屋に向かいます。
案の定、酒屋の亭主にツケを催促されますが、太郎冠者は「今日一日分の代金は持って来たから何とか酒を売ってくれ。」と嘘をつきます。
その交渉の結果、酒一樽は用意してもらえるが酒屋は用心深く、「代金と引き換えでないと酒は渡さない。」と言い出すのでありました。
そこで太郎冠者は最近主と行った津島祭の話をしながら、どさくさにまぎれて酒を持っていこうとします。
さてその結果は…。
「能」「殺生石 白頭」
インドや中国で絶世の美女として、時の権力者を惑わしてきた「九尾の狐(きゅうびのきつね)」。
この妖弧こそ、本作主人公「玉藻の前」に化けた狐の精霊であります。
前半は那須野の殺生石の近く、という異様な情景のなかで、女と高僧玄翁との「殺生石」にまつわる問答が展開されます。
動きは少ないですが妖しい雰囲気に満ちています。
そして自ら鳥羽の院時代に寵愛を受けた玉藻の前であり、安倍泰成に見破られ討伐された事、その魂が殺生石となった事を告げて消えます。
後半は玄翁が法事を執り行うと、石が割れ、狐の精霊が現れ、天竺・唐・日本とまたにかけて世を乱して来た事、「今、有難い仏法を授けられたからにはもはや悪事はしない。」と玄翁に告げて消えて行きます。
後半は前半とうってかわってアクション要素が強いストーリー展開が面白い演目です。
「成田の名刹」「成田山新勝寺」で開催される「幽玄の舞台」「第36回奉納梅若成田山薪能」。
この機会に「成田市」に訪れてみてはいかがでしょうか?
「第36回奉納梅若成田山薪能」詳細
開催日時 5月18日(土) 18時〜20時半頃
開催会場 成田山新勝寺 成田市成田1
入場券 4000円
問合わせ 成田市観光協会 0476-22-2111
備考
「第36回奉納梅若成田山薪能」は、「雨天時」は、「成田山新勝寺」「光輪閣」4階「光輪の間」での「蝋燭能(ろうそくのう)」となるそうです。