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「八重垣神社祇園祭」(匝瑳市)
 本日二つ目にご案内するのは、近隣市「匝瑳市」「八重垣神社」で今週末の8月4日(土)・5日(日)に開催されます「八重垣神社祇園祭」です。

 「匝瑳市」は、「千葉県」の「北東部」に位置し、「東京」から70km圏、「成田空港」からは「車」で30分の「距離」にあり、「匝瑳市」の「中心部」を「JR総武本線」と「国道126号線」が「東西」に走り、「成田方面」とは「国道296号線」で結ばれています。

 「匝瑳」の「由来」・「語源」ですが、「匝瑳」という「地名」は、現存のものでは、「奈良」「東大寺」「正倉院」に伝わる「庸調(ようちょう)」(朝廷に納めた「特産物」)に見られる天平13年(741年)の「記録」が最も古いとされています。
 「匝瑳」という「地名」の「由来」は、平安時代前期の「歴史書」「続日本書紀」によりますと、5世紀の終わり頃から6世紀のはじめにかけて、「畿内」(現在の近畿地方)の「豪族」であった「物部小事(ものべのおごと)」という「人物」が、「坂東(ばんどう)」(現在の関東地方)を征した「勲功」によって、「朝廷」から「下総国」の一部を与えられ、「匝瑳郷(さふさごおり)」とし、「小事」の「子孫」が「物部匝瑳(ものべのそうさ)」氏を名乗ったと伝えられています。
 「匝瑳」の「語源」については、「諸説」あって定まっていませんが、「発音」での「さふさ」という「地名」があり、「さ」は「狭」で美しい、「ふさ」は「布佐」で「麻」の「意」で、「美しい麻のとれる土地」であったとする「説」や、「さ」は「接頭語」で、「ふさ」は「下総国」11郡中で「最大の郡」であったことを由来するという「説」があります。
 「匝瑳」は、「さふさ」に「縁起」のよい「漢字」を充てたものと考えられています。
 なお、「漢和辞典」によれば、「漢字」の「匝」は、「訓読み」で「匝(めぐ)る」と読み、一巡りして帰るという「意味」があり、「瑳」は、「訓読み」で「瑳(あざ)やか」あるいは「瑳(みが)く」と読み、「あでやかで美しい」という「意味」があるそうです。

 「八重垣神社」は、「匝瑳市八日市場東本町」に鎮座している「神社」で、「旧社格」は「旧村社」で「御祭神」は「素戔鳴尊(すさのおのみこと)」・「事代主命(ことしろぬしのみこと)」・「倉稲魂(うがのみたま)」を祀っています。
 「八重垣神社」は、「嵯峨天皇」の弘仁2年(812年)に「物部朝臣匝瑳連足継」公が「鎮守府将軍」としてこの地を廻り、「祖神」たる「物部小事(ものべのおごと)」(「物部匝瑳連の祖」)直筆に係わる「八雲の神詠」を奉祀するために「出雲の神」を奉載し「牛頭天王社」として祀った事に始まるといわれています。
 正中2年(1314年)、永徳元年(1381年)に「社殿」を改修、享禄3年(1666年)と「社殿」を改築し「社名」を「福岡明神」と改め、「神輿」を新造して「祇園祭」を執行したのが、今日の「八日市場の祇園祭」の「創始」とされています。

 「八重垣神社祇園祭」の「歴史」ですが、残っている「文献」が少なく、「歴史資料」が乏しいようですが、「見徳寺」に所蔵する「古文書」によりますと、
 「祇園会は元禄十年(1697年)の頃なり、別当見徳寺始め毎年天王宮免田米をもって祭礼す」
 とあり、これを「祇園祭」の「起源」とみることができます。
 さらに別の「古文書」によりますと、
 「正徳三年(1713年)六月十九日、門前へ初めて神輿を本振りなり」
 とあり、この頃に「神輿」が担がれるようになったようです。
 「祇園祭」特有の「お囃子」が登場するのは明治中期以降でその「伝承」の「経過」から通称「三川囃子」と呼ばれています。
 また「神輿渡御」が盛り上がると「匝瑳市」では「町どおし」の「紛争」が絶えなかったそうです。
 そこで解消する「方策」として大正時代からは「神輿連合渡御」が行われるようになり、それが現在も承継されています。

 「八重垣神社祇園祭」は、毎年8月4日・5日に行われます「匝瑳市」きっての「お祭り」で、「八重垣神社」を中心に10町内から合わせて20数基の「神輿」が繰り出されます。
 「笛」や「太鼓」の軽快な「お囃子」に合わせ、担がれる「神輿」はこの地方特有の「スタイル」で、「あんりゃぁどした」という威勢のいい「かけ声」で練り歩く「姿」は、見ている者も心が踊ってしまうそうです。
 また「八重垣神社祇園祭」は、「神輿」の「行列」に「冷水」を浴びせかけるのも特徴です。

 従来「女性」は「神輿」を担ぐことは許されませんでしたが、「八重垣神社祇園祭」では、「女人禁制」の「旧例」が緩和されて、「女神輿」が繰り出されるようになりました。
 この「女神輿」は、全国でも極めて珍しい「女性」だけが担ぐ「神輿」として注目を集めています。
 4日の「夕方」から威勢のいい「女性達」により「男達」に負けじと「各町内」から10基の「神輿」が渡御されます。

 「八重垣神社祇園祭」の「ハイライト」は何といっても「神輿連合渡御」です。
 5日の「午前」に「八日市場小学校」に10町内から集まった20基以上の「神輿」と「囃子連」は、延々と連なって「匝瑳市」の「市街」を練り歩きます。
 「夕刻」になり「八重垣神社」に次々と入る前には「活気」が「最高潮」に達し、「担ぎ手達」の「力」の入った「渡御」がみられるそうです。
 ちなみに「八重垣神社祇園祭」の「昨年」(2011年)の「人出」は50000人だそうです。

 「八日市場」の「夏」を彩る「神輿の祭典」「八重垣神社祇園祭」。
 熱気溢れる「祇園祭」が行われるこの機会に「匝瑳市」に訪れてみてはいかがでしょうか?

 「八重垣神社祇園祭」詳細

 開催日時 8月4日(土)・5日(日) 10時半〜22時

 開催会場 八重垣神社 匝瑳市八日市場イ全域

 問合わせ 匝瑳市産業振興課 0479-73-0089

 備考
 「八重垣神社祇園祭」の平成24年(本年度)の「年番町」は、「萬町」だそうです。
 なお「八重垣神社祇園祭」は、「チバテレ」(千葉テレビ)にて放送される予定で、「本放送」は8月19日(日)19時00分〜19時55分(予定)となっており、「再放送」は8月24日(金)14時00分〜14時55分(予定)となっています。
 (なんらかの事情により放送時間が変更になる可能性もありますので、あらかじめご了承下さい。)

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| 地域情報::匝瑳 | 09:11 AM |

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