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「嫁入り舟」(香取市)(潮来市)
 本日ご紹介するのは、となりまち「香取市」「水郷佐原水生植物園」で開催されている「水郷佐原あやめ祭り」と「茨城県潮来市」「前川あやめ園」他で開催されている「水郷潮来あやめまつり大会」期間中に行われている「嫁入り舟」です。

 「水郷」とは、「水」のほとりの「村」、または「河川」や「湖沼」が多くある「景勝地」、特に「千葉県」・「茨城県」にまたがる「利根川」下流域から「霞ヶ浦(かすみがうら)」にかけての「低湿地帯」の「称」のことです。
 明治時代から昭和の初めにかけて「水郷」は「すいきょう」と呼ばれ、「水」のほとりの「村」を指していました。
 このころ「文人墨客」により「日本」の各地で「水郷」と呼ばれている場所がありましたが、その中でも「利根川」「下流」から「霞ヶ浦」にかけての「地域」を「水郷(すいごう)」と呼ぶようになりました。
 現在では、「河川」の「合流部」や「下流」の「三角州地域」、「湖沼」の近くなどの「低湿」な「水辺地域」のことを「水郷」と呼ぶことが多いです。
 また「水郷」では、一般的に「移動手段」として「舟運」が発達していました。

 「水郷」(潮来・香取)では、「利根川」下流には、「利根川」によって持ち運んでくる「土砂」のため「三角洲」ができました。
 江戸時代、天正7年(1579年)時(とき)の「代官」「吉田主馬亮」の「指揮」により、「新田開拓」が始められ、「加藤洲十二橋」のある「加藤洲」が寛永3年(1626年)に整地されたそうです。
 「加藤洲地区」は「千葉県香取市」と「茨城県潮来市」の「県境」を流れる「常陸利根川」の南岸に位置し、地区内を流れる「新左衛門川」の両側に並ぶ「民家」をつなぐように12本の「橋」がかけられています。
 ここでは、「一島二戸」の「生活」が営まれ「隣家」との往復のため設けられた「橋」が、「十二」あることから「十二橋」の「名」がつけられました。

 現在開催中の「水郷佐原あやめ祭り」(5月24日のブログ参照)と「水郷潮来あやめまつり」(5月14日のブログ参照)。
 両「あやめまつり」ともいよいよ「あやめ」の見頃「6月」を迎え、ますます賑わいを見せます。
 「あやめ」「花菖蒲」が咲き誇る「水郷あやめまつり」の「会場」で、「嫁入り舟」が行われます。

 「嫁入り舟」は、「水郷地区」で、昭和30年代まで行われていた「小船」による「嫁入り」です。
 「土地改良事業」をはじめとする「開発事業」が行われる昭和30年前半までは、「水郷地方」は「水路」によって形成された「生活形態」であったことから、「嫁入り」する際の「花嫁」や「嫁入り道具」等を運搬するときにも「サッパ舟」が使われており、これが「嫁入り舟」のはじまりだとされています。

 「水郷佐原水生植物園」の「嫁入り舟」ですが、「新郎」を乗せた「船」が出航、続いて「新婦」を乗せた「船」が続き、2艘の「船」が相前後して「挙式」の行われる「会場」へゆっくりと向かいます。
 「三三九度」「指輪の交換」等の「挙式」が行われた後、「新郎新婦」が同じ「船」に乗り「水郷佐原水生植物園」園内の「水路」を「船」で巡り、「関係者」「観光客」の皆さん方に「お披露目」するそうです。

 「水郷潮来あやめまつり」の「嫁入り舟」ですが、咲き誇る「あやめ」を「背景」に行われ、白い「花嫁衣装」が青い「水面(みなも)」に浮かぶ様は、一幅の「絵」のように美しいそうです。
 この「嫁入り舟」が全国的に知られるようになったのは、昭和31年10月の「松竹映画」「花嫁募集中」とタイアップし「ミス花嫁」を募集したことが「きっかけ」となり、「花村菊江」さんの「潮来花嫁さん」の「大ヒット」によりさらに全国的に知られるようになりました。

 当時「江間(えんま)」という「水路」が網羅されていた「潮来」では、「嫁入り」も「舟」であったそうです。
 しかし、「生活形態」や「交通手段」(「陸運」から「水運」)が変化してしまってからは、「河川」や「水路」(「江間」)も「姿」を消してしまい、「サッパ舟」を使った「嫁入り舟」を見ることが出来なくなってしまったそうです。

 このような中、昭和60年(1985年)に行われた「つくば国際科学技術博覧会」(潮来の日)の際に、「イベント」として「嫁入り舟」を復活させたのがきっかけとなり、現在の「あやめまつり大会」においても「イベント」として行われるようになり、今では「水郷潮来」を代表する「行事」となりました。

 「水郷潮来あやめまつり」の「嫁入り舟」ですが、「前川あやめ園」で行われます。
 まず「潮来花嫁さん」の「記念碑」前に到着後、「船頭」・「仲人(なこうど)」と共に「花嫁」は「園路」を歩き、「前川あやめ園」隣接の「船着場」から、「舟」に乗ります。
 「花嫁」たちは、「祝い舟」に乗って「花婿」の許(もと)に向かいます。
 「嫁入り舟」は「水郷」ならではの「光景」ですが、「新郎新婦」にとって「川」が「バージンロード」になっています。
 「嫁入り舟」「白無垢(しろむく)」の「衣装」を着た「花嫁」を見送ろうと「前川あやめ園」側の川べりには多くの「観光客」や「関係者」の皆さんで賑やかになり、「祝い囃子」の「演奏」の中を船出していきます。
 「花嫁」たちの「祝い舟」が、「花婿」が待つ「向こう岸」の「船着場」に着くと「あやめ園」は「祝福ムード」いっぱいになるそうです。

 ちなみに「嫁入り舟」ですが、「香取市」「水郷佐原あやめ祭り」では、6月3日(日)、9日(土)、16日(土)に行われ、「潮来市」「水郷潮来あやめまつり」では、期間中(5月19日〜6月24日)の「水曜日」「土曜日」「日曜日」に行われています。

 「水郷情緒」溢れる「香取」・「潮来」で行われる「初夏」の「日差し」の中「新たな門出」の「催し」「嫁入り舟」。
 「嫁入り舟」など「イベント」盛り沢山の「旬」の「催し」「水郷佐原あやめ祭り」「水郷潮来あやめまつり」に訪れてみてはいかがでしょうか?

 備考
 今年(2012年)の「潮来市」の「前川あやめ園」の「嫁入り舟」には、過去最多となる38組が参加するそうです。

| http://www.inubou.co.jp/blog/index.php?e=1136 |
| 地域情報::鹿島 | 01:02 PM |

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