本日二つ目にご案内するのは、近隣市「成田市」「成田山新勝寺」で来週末の5月19日(土)に開催されます「第35回奉納梅若成田山薪能」です。
「成田山新勝寺」(2010年11月14日・15日・16日のブログ参照)は、千年以上の「歴史」をもつ全国有数の「霊場」で、「成田のお不動さま」の愛称で親しまれている「成田山新勝寺」は、「真言宗智山派」の「大本山」です。
「成田山新勝寺」「開山の祖」「寛朝大僧正(かんちょうだいそうじょう)」は、延喜16年(918年)に生まれ、天慶3年(940年)「平将門の乱」を鎮めるため「朱雀天皇」の「勅命」により「関東」に下り、この地に「成田山」が開山されました。
「寛朝大僧正」は、「皇室」との「血縁」もある大変に「格」の高い「僧侶」で、後に「真言宗」初めての「大僧正」に任じられ、「成田山新勝寺」の他にも「京都」に「遍照寺」を開山しているそうです。
「寛朝大僧正」は、当時としては第一級の「文化人」の「芸事」にも秀で、「東密声明」の「中興の祖」とも言われています。
「声明(しょうみょう)」とは「日本」の「伝統音楽」のひとつで、「仏典」に「節」をつけて唱え、「儀式」に用いられる「宗教音楽」なのだそうです。
「寛朝大僧正」は、「空海」が伝えたものを基礎とした、「真言声明」の「作曲」・「整備」につとめたと言われています。
「文化人」であり、「芸事」に秀いた「寛朝大僧正」が開山した「成田山新勝寺」では、毎年「奉納梅若成田山薪能」が行われており、今回で第35回となるそうです。
「成田山新勝寺」では、毎年第3日曜日の前日に、「国指定重要文化財」の「光明堂」前に作られた「特設野外ステージ」において執り行われます。
「夜の帳(とばり)」がおり、「篝火(かがりび)」の中に浮かび上がる「舞台」で上演される「能」や「狂言」の「舞」は、大変幻想的で人々を「幽玄の世界」へと誘うそうです。
そもそも「薪能」は、「奈良」・「興福寺」の「修二会(しゅにえ)」の際の「薪献進」に始まる「神事能」がはじまりと言われ、その時期は13世紀半ばと推定されています。
「仏法」の「守護神」を迎えるための「聖火」の「薪」の採取に伴う「芸能」で、「薪猿楽(たきぎさるがく)」、「薪」の「神事」とも称されました。
「明治維新」や「第二次世界大戦」で一時とだえたこともありましたが、「第二次世界大戦」後、1950年(昭和25年)「京都」・「平安神宮」の「京都薪之能」以来、「薪能」は新しい傾向として全国各地の数多くの「都市」や「寺社」で開催されるようになり、今日はビルの林立する「都市空間」や「遊園地」の「野外劇場」が用いられるなど、新機軸の「薪能」、「ショー」としての「薪能」も増えつつあるそうです。
「第35回奉納梅若成田山薪能」では、「若葉」の芽吹く「不動の森」と「成田山平和大塔」(5月7日のブログ参照)を背景にして、「成田山新勝寺」「大本堂」の奥にある「光明堂」前の「特設舞台」で執り行われ、「演目」は「高砂」だそうです。
「古今集」仮名序の「高砂、住の江の松も、相生の様に覚え」という一説を「題材」として作出したそうです。
「播州高砂、摂津の国住吉と国を隔てて住みながらも、夫婦として暮らす老人老女」という「人物設定」で、「長寿」や「老夫婦」の睦まじさを称えるとともに、「松の長寿」の「めでたさ」を「和歌の道」の久しい繁栄になぞられ、「寿き」、「祝い」といった「めでたさ」に、多か崇高で清らかな雰囲気に満ちた、「気品」のある「名曲」中の「名曲」だそうです。
「第35回奉納梅若成田山薪能」の「番組」ですが、「法楽・火入れ式」に続き、「仕舞」「笠ノ段(かさのだん)」、「狂言」「呼声(よぶこえ)」、「能」「高砂(たかさご)」となっています。
(「演目」は、「舞囃子」「高砂」、「狂言」「附子(ぶす)」、「能」「小鍜冶(こかじ)−黒頭(くろがしら)−」)
また「第35回奉納梅若成田山薪能」は、「雨天時」は、「光輪閣」4階「光輪の間」での「蝋燭(ろうそく)能」となります。
「夜の帳」が清らかに「成田山新勝寺」境内を閉ざし、「幽玄の世界」が醸し出される「奉納梅若成田山薪能」。
「成田の名刹」で行われる「薪能」を見に「成田市」に訪れてみてはいかがでしょうか?
「奉納梅若成田山薪能」詳細
開催日時 5月19日(土) 18時〜20時半 (開場16時半)
開催会場 成田山新勝寺 成田市成田1
入場券 4000円 全席自由
下記「取扱所」にて発売中
成田山新勝寺 8時〜16時
0476-22-2111
成田観光館 9時〜17時 (月曜休館)
0476-24-3232
成田市観光案内所 8時30分〜17時15分
0476-24-3198
チケットぴあ 0570-02-9999
問合わせ 成田山新勝寺 薪能係 0476-22-2111
備考
「成田山新勝寺」で昨年行われた「奉納梅若成田山薪能」(2011年5月12日のブログ参照)では、「舞囃子」「邯鄲(かんたん)」、「狂言」「文山立(ふみやまだち)」、「能」「安達原(あだちがはら)」が披露されました。
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地域情報::成田 | 07:44 PM |