本日二つ目にご案内するのは、となりまち「旭市」「水神社」で明後日(あさって)の2月5日(日)に開催されます「永代大御神楽」です。
「水神社」は、1301年に創建され、旧「海上町」「後草地区」では古くから、「村の鎮守」として深い信仰を集めてきたそうです。
「水神社」の「鳥居」は、天和3年(1683年)建立の銘があり、「石鳥居」としては県下でも古い部に属します。
「水神社」「石鳥居」は、昭和46年に「台風25号」のために倒れ、「貫」が折れて取り替えたそうです。
また「水神社」の「鳥居の様式」は「明神鳥居」で「願主別当金蔵院住持長宝石工 六兵衛作之」の「銘」が読めます。
「水神社」「永代大御神楽」は、「旭市後草地区」にあり、「村の鎮守」として深い信仰を集めてきた「水神社」で毎年2月の第1日曜日に奉納されている「神楽」です。
「水神社」「永代大御神楽」は、鎌倉時代から800年も続いているそうです。
「永代大御神楽」の内容ですが、「豊年万作」を記念して春先に奉納した「岩戸神楽」の「系列」といわれています。
古式ゆかしい衣装に身を包んだ優雅な「舞」は、いにしえの「情景」を今に色濃く伝えています。
「水神社」「永代大御神楽」は昔、旧暦の2月8日「村祈念」に行われていましたが、その後新暦の2月1日に変わり、現在は2月の第1日曜日に実施されています。
「オドウ」(当番制)と決まった「家」から「神社」に参進の上、「神楽殿」(神楽舞台)で演舞することになっています。
「水神社」「永代大御神楽」の特長は「オドウ」と呼ばれる「当屋制」が残っていることで、「後草地区」は「字(あざ)後草区」(335戸)と「字広原区」(約600戸)で構成され、1年交代で「オドウ」を務めており、2010年の「オドウ」は「後草区」の担当であったそうです。
「オドウ」を務める「家」は、「字後草区」では厳密に規定はありませんが「自宅」で上演ができる「旧家」に自然と限定されているそうです。
「字広原区」は「総武本線」開通後の新しい「集落」で「商店」が多く、「オドウ」での上演は「個人宅」ではなく「集会所」を利用しており、「オドウ」を務める「家」は特に制限はないそうです。
「水神社」「永代大御神楽」は、俗に「地区の名」で「うしろぐさ神楽」とも呼ばれています。
「舞」は、「後草地区」の「人」の「年代」によって「役割分担」がなされており、「神楽士(師)」・「笛」・「大太鼓」・「小太鼓」は、「後草地区」の20歳前後の「若者」によって行われているそうです。
その他、準備をする「神楽世話人」(40〜50歳くらいの男性)、「稚児」(女児童8人)も参加します。
祭礼日10時より当年の「オドウ」である「個人宅」(集会所)で午前中に「式典」と「神楽」(「天狗」「浦安の舞」「田神」「種播」)奉納、昼食後「オドウ宅」から「水神社」まで「お練り」があり、14時に「式典」に引続き「神楽」11番と「浦安の舞」2番(「後草」と「広原」、それぞれの少女達)があります。
(午前中に「オドウ宅」で行われる「神楽」の「天狗」は「当主」が演じることになっています。)
なお、樹木に囲まれた「水神社」境内では、寒いため「観客」は火にあたりながら、「神楽」途中「餅撒き」や「菓子投げ」、「本物の大きな鯛」が投げ込まれるなど、最後まで盛り上がるそうです。
「水神社」「永代大御神楽」が終了するのは、18時過ぎくらいだそうです。
「水神社」「永代大御神楽」は次の「十二座」から成り、1「猿田彦命(さるたひこのみこと)」(天狗)、2「天鈿女命(あまのうずめのみこと)」、3「三(参)宝荒神」、4「八幡大神」、5「天手力男命(あめのたぢからおのみこと)」、6「榊葉」、7「稲荷保食命」(稲荷キリ)、8「田神」(田ノ神)・「種播」(稲荷と狐)、9「春日大神」、10「恵比寿大黒」、11「乙女の命(乙女)」、12「素盞鳴尊(すさのおのみこと)」(〆切)の「十二座」となります。
「神楽」の内容は「記紀神話」に基づく「岩戸神楽」ですが、「手力男」が具体的に「岩戸」を開ける「所作」はありません。
これは「千葉県北東部」の「下総神楽」の「特長」なのだそうです。
なお9「春日大神」は40年以上演じていないそうです。
(昭和29年の「解説文」に記載があるそうです。) また「大釜」をたぎらせての「湯神楽」(湯立)も昭和51年の「新聞記事」で確認できますが、現在は行われていません。
ちなみに「水神社」「永代大御神楽」に使われる「神楽面」は16面だそうです。
「水神社」「永代大御神楽」は、「鎌倉期」から続いていて、「内容」ですが「素盞鳴尊」の乱暴な行状に怒り「天の岩戸」に隠れた「天照大神」の「神話」を演じるものです。
「猿田彦命」の「先払いの舞」に始まり、「天照大神」が「岩戸」に籠(こも)ってしまい、世の中は真っ暗になり、「よろずの神」は、「天照大神」を「岩戸」から引き出そうと「知恵」を絞ります。
そこで「天鈿女命」が「岩戸」の前で華麗に舞い、「天照大神」を誘い出します。
「岩戸」の前が賑やかで、「天照大神」は「何事か」と顔を出します。
すかさず「力自慢」の「天手力男命」が「岩戸」を開け、「天照大神」を外に引き出します。
そしてやっと世の中に明るさが戻りました。
というものです。
ちなみに「天照大神」が「岩戸」に引きこもる原因になったのは「素盞鳴尊」の「乱暴な行状」ですが、その後「素盞鳴尊」は、改心して「ヤマタノオロチ」を退治して「出雲の神様」(「大国主命」の「祖神」)となったそうです。
「旭市後草」に伝わる「古式ゆかしい衣装」に身を包んで舞われる「優雅な舞」は、昔の人たちの生活が「神様」への「信仰」と強く結びついた「情景」を、今に色濃く伝えています。
「千葉県無形文化財」(昭和29年指定)にも指定されています「水神社」「永代大御神楽」を見に「後草地区」の「水神社」に訪れてみてはいかがでしょうか?
「水神社」「永代大御神楽」詳細
開催日時 2月5日(日) 13時頃〜17時頃
開催会場 水神社 旭市後草1923
「水神社」「永代大御神楽」演目
猿田彦(さるたひこ)
天鈿女(うずめ)命
三(参)宝荒神(さんぽうこうじん)
八幡大神
天手力男命
榊葉(さかきは)
稲荷保食命(稲荷キリ)
田神(田ノ神)
種播(稲荷と狐)
春日大神
恵比寿大黒
乙女の命(乙女)
素盞鳴尊(すさのおのみこと)(〆切)
「田神」と「種播」は一続きなので「一座」と数え「十二座」となります。
問合わせ 旭市教育委員会 生涯学習課 0479-55-5728
備考
「水神社」「永代大御神楽」では、「恵比寿大黒」で撒く「新粉餅」を食べると、一年間「無病息災」と云われています。
また幕間では、「稚児」による「浦安の舞」が2回演じられているそうです。 ちなみに「浦安の舞」を演じるのは、「後草」、「広原」両区の「少女」で、「伴奏」は「雅楽のテープ」だそうです。
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