本日ご紹介するのは、地元「銚子市」「イオンモール銚子」2F「しおさいプラザ」で9月10日(土)・11日(日)に開催されます「銚子ジオパーク認定4周年イベント」「銚子ジオパークまつり」です。
「銚子半島」に「人間」が暮らし始めたのは、約1万5千〜2万3千年前くらいの旧石器時代といわれています。
「海」を望むこの地は、「自然」に恵まれ、数千年もの長い間、「狩猟」と、「漁撈」を中心とした「生活」が営まれ、その当時の様子ですが、「粟島台遺跡」や、「余山貝塚」からの「出土品」などから知ることができます。
「銚子市」(2010年9月20日のブログ参照)の「最東端」「犬吠埼」(2012年4月16日のブログ参照)は、「太平洋」に突出する「岬」で、「岬」には「世界灯台100選」にも選ばれた「犬吠埼灯台」(2011年1月1日のブログ参照)が屹立(キツリツ)しています。
「犬吠埼」付近一帯は「水郷筑波国定公園」(2012年8月3日のブログ参照)に含まれる「景勝地」で、風光明媚(フウコウメイビ)な「海岸線」は、かつて数々の「文人」・「墨客」が訪れ、「高浜虚子」、「国木田独歩」(2011年6月20日のブログ参照)、「佐藤春夫」などの「歌碑」、「詩碑」が立っています。
「犬吠埼」の「地層」ですが、中生代の白亜紀という時代にできたといわれており、今からおよそ1億2000万年前の地質時代だそうです。
浅い「海底」に「長い時間」をかけて、堆積された「地層」が、のちに「陸地」になりましたが、当時の様子を「犬吠埼灯台」周辺の「岩石」や、「化石」、「地質構造」から読み取ることができるそうです。
「犬吠埼の白亜紀堆積物」ですが、2002年(平成14年)に「国」の「天然記念物」として指定され、また2007年(平成19年)には、「日本の地質百選」にも選定されています。
「屏風ヶ浦(ビョウブガウラ)」(2016年3月2日・2012年5月20日のブログ参照)は、「銚子市」「名洗町」から「旭市」「上永井」の「刑部岬(ギョウブミサキ)」(2012年5月26日のブログ参照)までの「海岸線」に連なる「断崖絶壁(ダンガイゼッペキ)」、「海食崖」のことです。
「屏風ヶ浦」の「高さ」60m及び「岸壁」は、かつては「海底」であった「層」(砂岩質の岩の部分)の上に「関東ローム層」の「赤土」(火山灰が積もって「鉄分」が赤く酸化したもの)が堆積したものです。
「屏風ヶ浦」の崩落した「岩」を見ますと、「貝殻」などの「化石」や、かつて、そこで生活していた「生物の痕跡」が残っています。
「屏風ヶ浦」の崩落した「石」ですが、「潮流」に乗って「九十九里浜」(2012年5月11日のブログ参照)へと流れて行き、「海岸」に打ち上げられ、「九十九里」では「飯岡石」と呼ばれています。
「屏風ヶ浦」では、「砂岩質」の「土壌」が弱いのと、打ち寄せる「波の強さ」もあり、「有史」以来、数kmに渡って、「岸壁」は削られているそうです。
「屏風ヶ浦」ですが、昨年(2015年)11月20日に開かれた「国」の「文化審議会」にて、「浮世絵師」・「歌川広重」の「大作」「六十余州名所図会」にも描かれた「屏風ヶ浦」を「国の名勝」及び「国の天然記念物」に指定するよう「文部科学相」に答申、「官報告示」を経て、2016年(平成28年)3月1日、正式に「屏風ヶ浦」が「国指定文化財」(「名勝」および「天然記念物」)に指定されています。
「銚子ジオパーク」(2012年9月25日のブログ参照)ですが、2012年(平成24年)4月、「日本ジオパーク委員会」に「認定申請書」を提出、そして同年9月24日に行われた「日本ジオパーク委員会」にて、「神奈川県」の「箱根」、「秋田県」の「八峰白神」、「秋田県」の「ゆざわ」、「静岡県」の「伊豆半島」と共に、「千葉県」の「銚子市」の5ヵ所を「地域」の「地形」や、「地質」を楽しめる「自然公園」「日本ジオパーク」に認定されました。
そして、同年11月2日(金)〜5日(月)、「世界ジオパーク」「認定」の「室戸ジオパーク」がある「高知県」「室戸市」で、「第3回日本ジオパーク全国大会」が開催され、「銚子ジオパーク」として、「日本ジオパーク委員会」から「認定書」を授与されました。
この「大会」では、「各地域」の「ジオパーク関係者」が集い、「勉強会」が行われ、その中で「ジオパーク」は、「場所ではなく、人とその活動」であることがあらためて「クローズアップ」されたそうです。
今はまだ、「ジオパーク」と聞くと「地層」、「岩石」などを想像し、それらを見学することと思われているところもあるようです。
しかし「ジオパーク」とは、「見る、食べる、学ぶ」ことで、その「土地」をまるごと楽しむことと、「日本ジオパーク委員会」は提唱しています。
ちなみに「銚子ジオパーク」ですが、大きくわけて、4つの「ジオサイト」にわかれており、4つの「ジオサイト」ですが、「屏風ヶ浦ジオサイト」、「愛宕山(アタゴヤマ)・千騎ヶ岩(センガイワ)・犬岩(イヌイワ)ジオサイト」、「黒生(クロハエ)・夫婦ヶ鼻(メドガハナ)・宝満(ホウマ)ジオサイト」、「犬吠埼ジオサイト」となっています。
「屏風ヶ浦ジオサイト」
銚子半島の南西側の海岸には、高さ40m〜50mの海食崖が約10kmにわたって続く、「屏風ヶ浦」があります。
屏風ヶ浦は、英国のドーバー海峡のホワイトクリフになぞられて、「東洋のドーバー」と呼ばれる景勝地です。
屏風ヶ浦では、新第三紀鮮新世から第四紀更新世に堆積した犬吠層群に属する名洗層、飯岡層と、香取層、関東ローム層が見られます。
名洗の遊歩道からは、これらの地層が西に向かって緩く傾斜している、雄大な景色を見ることができます。
名洗層と飯岡層は、西に緩く傾斜し、不整合で香取層に覆われます。
名洗層は、主に凝灰質砂岩からなり、ところどころに白いスジのように見える火山灰層を挟みます。
その上位の飯岡層は、青灰色を帯びた泥質凝灰岩が主体であり、名洗層とは時間間隔をおかずにほぼ整合で接しています。
飯岡層は不透水層であるため、その上を覆う透水性の香取層を通過した水が、ところどころで湧水として観察されます。
銚子半島の洪積台地を削る谷地形は、この湧水による谷頭(コクトウ)侵食により形成されたと考えられます。
田村ら(地質学雑誌、116(7)、360-373、2010)は、南関東に分布する250万年前の広域火山灰層の研究を行い、名洗層において、層厚2cmのざくろ石を含むテフラ層を報告しています。
この広域火山灰層は、2009年に改訂された新第三紀と第四紀の境界層付近に位置するとして、注目されています。
火山灰層を横に追って行くと、ところどころで正断層が観察されます。
これは、この地域が引っ張りの場であり、波による侵食に弱いことを示しています。
このため、屏風ヶ浦は、年間約1m程度のペースで海岸が失われてきたといわれています。
屏風ヶ浦の台地(下総台地)では、春キャベツが日本一の生産量を誇り、安定した風力を利用して34基(2011年現在)の風力発電施設が設置されるなど、地形的・気候的な特徴を活かした土地利用がなされています。
愛宕山・千騎ヶ岩・犬岩ジオサイト
銚子半島で最も標高の高い愛宕山(アタゴヤマ)周辺には、千葉県で最も古い「愛宕山層群」が出現します。
外川漁港の西側にある「犬岩・千騎ヶ岩」も、その一部に含まれます。
愛宕山層群は、海洋プレートに乗ってはるか遠洋底から運ばれてきた黒生チャートや、大陸起源の硬砂岩・泥岩が複雑に入り組んで産出する「付加体堆積物」とよばれる地質体です。
これらの地層は、ボーリング調査の結果、銚子半島から西方に向かって沈み込み、東京周辺では地下約3000mに潜り込み、関東山地で再び地表面に露出します。
これは、銚子半島と関東山地を持ち上げ、関東平野を引き下げるような大地の動きを物語ります。
黒生・夫婦ヶ鼻・宝満ジオサイト
黒生地区では、古生代末の生物一斉絶滅とほぼ同時期に堆積した「黒生チャート」、新生代第三紀中新世に堆積した「夫婦ヶ鼻層」、これとほぼ同時期の火山活動によってできた「古銅輝石安山岩」を見ることができます。
「黒生チャート」は黒生地区の水産加工団地の埋め立て地で、「夫婦ヶ鼻層」はポートタワー下の露頭で、「古銅輝石安山岩」の岩体は黒生漁港周辺でそれぞれ観察することができます。
また、銚子半島の東南端に位置する長崎鼻の宝満でも、夫婦ヶ鼻層とそこに貫入する古銅輝石安山岩を見ることができます。
黒生チャートには地球規模の環境の変化が、過去の火山活動の痕跡である古銅輝石安山岩の育成には日本海の誕生と拡大にともなう大地の動きが、それぞれ関連していると考えられています。
犬吠埼ジオサイト
銚子半島の先端部で南北に連なる東海岸には、中生代の前期白亜系の地層である「銚子層群」が見られます。
銚子層群を構成する地層は、下位から海鹿島層、君ヶ浜層、犬吠埼層、酉明浦(トリアケウラ)層、長崎鼻層です。
これらの地層は、おおまかに北ほど古く、南ほど新しい積み重なりをしています。
銚子層群の最下層である海鹿島層には、体積盆を形成していたと考えられる「愛宕山層群」のチャートや硬砂岩・泥岩の礫を含む海鹿島礫岩が「基底礫岩」として産出します。
犬吠埼灯台下に広がる犬吠埼層には、浅海性の様々な堆積構造がみごとに保存されており、国指定の天然記念物(犬吠埼の白亜紀浅海堆積物)となっています。
また、ここからは、中生代の「示準化石」であるアンモナイトやトリゴニア(三角貝)などの化石が発見されています。
「銚子ジオパーク」が誕生して4年。
今年(2016年)「秋」は、4年に一度の「ジオパーク」の「再認定」を受ける「年」なのだそうです。
そこで、「銚子市」では「皆さん」に「銚子ジオパーク」の「魅力」をもっと知っていただくために、楽しい「イベント」「銚子ジオパーク認定4周年イベント」「銚子ジオパークまつり」(以下「銚子ジオパークまつり」と表記)を開催することとなりました。
「銚子ジオパークまつり」ですが、9月10日(土)〜11日(日)の期間「イオンモール銚子」2F「しおさいプラザ」を「会場」に行われ、様々な「催し」が開催されるそうです。
「銚子ジオパークまつり」の「イベント内容」は、下記の通りです。
「銚子ジオパークまつり」詳細
銚子ジオすごろく大会
家族やグループで楽しめる銚子ジオパークオリジナルすごろくゲーム。
各日先着300人にプレゼント!
10時00分〜、12時00分〜、14時00分〜
てうしGEOかるた大会
かるたの絵札はかまぼこの板に市内の高校生が描いたもの。
大会の勝者はプレゼントがもらえます。
11時00分〜、13時00分〜、15時00分〜
ジオっちょと記念撮影
銚子ジオパークPR大使の「ジオっちょ」(2012年12月9日のブログ参照)が来場。
みんなと一緒に記念撮影します。
11時30分〜、13時30分〜、15時30分〜
ジオっちょぬりえコーナー(未就学児対象)
ジオっちょのぬりえを楽しめます。
上手に塗れたらプレゼントあり。
10時00分〜16時00分
ミニミニジオツアー
イオンモールの中を探検しながら銚子ジオパークを楽しく学びます。
専門のガイドが案内。
参加者が集まったら随時スタート。
日本のジオパーク展
日本国内には現在39ものジオパークがあります。
各地のジオパークの魅力をパネル展示します。
9月3日(土)〜9月11日(日) 10時00分〜21時00分(最終日は16時00分まで)
「イオンモール銚子」2F「しおさいプラザ」で開催される「ジオイベント」「銚子ジオパーク認定4周年イベント」「銚子ジオパークまつり」。
この機会に「銚子市」に訪れてみてはいかがでしょうか?
「銚子ジオパーク認定4周年イベント」「銚子ジオパークまつり」詳細
開催期間 9月10日(土)〜11日(日)
開催時間 10時〜16時
開催会場 イオンモール銚子2階しおさいプラザ 銚子市三崎町2-2660-1
問合わせ 銚子ジオパーク推進協議会(銚子市ジオパーク推進室) 0479-24-8911(月曜・祝日休み)
備考
「銚子市」では、「銚子市青少年文化会館」の「小ホール」にて、9月14日(水)から10月13日(木)まで、「日本」の「ジオパーク展」を開催するそうです。