本日ご紹介するのは、地元「銚子市」「磯角商店主屋」で3月21日(土)・22日(日)に開催されます「磯角商店主屋(イソカクショウテンシュオク)」「一般公開」です。
「銚子市」(2010年9月20日のブログ参照)は、1933年(昭和8年)2月11日、「銚子町」、「本銚子町」、「西銚子町」、「豊浦村」の「3町1村」が合併し、「全国」で116番目、「千葉県」では「県庁所在地」「千葉市」に次いで「2番目」の「市」として誕生しました。
その後、「銚子市」は、1937年(昭和12年)に「高神村」、「海上村」、1954年(昭和29年)に「船木村」、「椎柴村」、1955年(昭和30年)に「豊里村」、1956年(昭和31年)に「豊岡村」と順次合併、発展してきました。
現在の「銚子市」の「人口」ですが、66753人となっており、「世帯数」は27842世帯となっています。
(2015年(平成27年)2月1日現在)
「銚子市」は、「関東地方」の「東部」、「千葉県」の「北東部」にある「市」で、「全国屈指」の「漁港のまち」で、「市」の「北部」には「坂東太郎」「利根川」(2011年10月9日のブログ参照)が流れ、「銚子市」で「太平洋」に注いでいます。
「銚子市」は、「東京」から100km圏内、「関東平野」の「最東端」に位置し、「北」は「利根川」、「東」と「南」は「太平洋」に面しています。
「銚子市」は、江戸時代に「利根川水運」が開発され、「醤油醸造業」と「漁業」で発展、「農業」は「露地野菜」を「中心」に発展した「観光都市」です。
「銚子市」は、「利根川」沿いの「低地」と「北総台地」(下総台地)(2012年7月10日のブログ参照)からなり、「表層」は「関東ローム層」に覆われています。
「銚子市」には、「北総台地」(下総台地)「最高峰」の「愛宕山」(「標高」73.6m)があり、「水田」は「台地山間」の「谷津田」と「利根川」沿いに広がっており、「畑地帯」は「台地」の「平坦部」に位置し、比較的「農業」(2011年6月15日・2月19日のブログ参照)に適しています。
「登録有形文化財(トウロクユウケイブンカザイ)」は、1996年(平成8年)の「文化財保護法」「改正」により「創設」された「文化財登録制度」に基づき、「文化財登録原簿」に登録された「有形文化財」のことです。
「登録有形文化財」の「登録対象」は、当初「建造物」に限られていましたが、2004年(平成16年)の「文化財保護法」「改正」により「建造物」以外の「有形文化財」も「登録対象」となっています。
「登録有形文化財」の「登録物件」は近代(明治以降)に「建造」・「製作」されたものが「主」で、江戸時代のものも「登録対象」になっています。
「登録制度」「創設」の「背景」ですが、1996年の「文化財保護法」「改正」により、「従来」の「文化財」「指定」「制度」に加えて、「文化財」「登録」「制度」が創設されました。
「第二次大戦」以降の「日本」においては、「急激」な「都市化」の「進展」などにより、近世末期や近代以降の「多種多様」な「建造物」が、その「建築史的」・「文化的意義」や「価値」を十分認識されないまま「破壊」される「事例」が相次いだそうです。
このような「反省」に立ち、昭和40年代頃から、近世の「民家建築」、近代の「洋風建築」などが「国」の「重要文化財」や、「地方公共団体」の「文化財」に指定される「例」が「漸増」していったそうです。
しかし、「急激」に「消滅」しつつある近代の「建造物」の「保護」にあたっては、「国レベル」で「重要」なものを「厳選」する「重要文化財指定制度」のみでは「不十分」であり、より緩やかな「規制」のもとで、幅広く「保護」の「網」をかけることの「必要性」が議論されました。
こうして、「重要文化財指定制度」を補うものとして創設されたのが、「文化財登録制度」であり、「登録」された「物件」を「登録有形文化財」と称しています。
「登録」の「対象」ですが、1996年の「文化財保護法」「改正」の「時点」では、「登録」の「対象」は「当面」「建造物」のみとされ、「美術工芸品」、「歴史資料」などは「登録対象」となっていなかったそうで、この「理由」は、「建造物」に関しては、「都市化」や「開発」の「進展」、「生活」・「居住形態」の「変化」などにより、取り壊される「可能性」があり、「緊急」に「保護措置」をとる「必要」があるためであったそうです。
なお2004年(平成16年)の「同法改正」により「建造物」以外の「有形文化財」についても「登録」の「対象」となり、「有形民俗文化財」、「記念物」(「史跡」・「名勝」・「天然記念物」関係)についても「従来」の「指定制度」を補完するものとして「登録制度」が導入されました。
登録された「有形民俗文化財」および「記念物」は、それぞれ「登録有形民俗文化財」、「登録記念物」と呼ばれます。
この「登録制度」は「指定制度」を補完するものであるため、「登録対象」となる「有形文化財」は、「国」や「地方公共団体」の「指定」を受けていないものに限られます。
「登録有形文化財」として登録された後、「国」または「地方公共団体」の「文化財」として「指定」を受けた場合は、「登録有形文化財」としての「登録」は抹消されます。
ただし、「地方公共団体」の「文化財」として「指定」を受けた場合において、その「登録有形文化財」について、その「保存」及び「活用」のための「措置」を講ずる「必要」があり、かつ、その「所有者」の「同意」がある場合は、「例外的」に「登録」を抹消しないことができます。
しかし実際には「維持」の「困難」などから抹消されて解体されたり(例・美章園温泉)、また故意に抹消して「土地」を利用するなど「事実上」の「脱法行為」を行う「例」等、「文化財保護」としては「不十分」だという「指摘」もなされています。
「登録有形文化財」(建造物)ですが、2011年(平成23年)7月1日現在、「建造物」の「登録件数」は8331件であり、登録されている「物件」の「一覧」を見ると、下記のような「多様」な「分野」の「建造物」が登録されています。
役所、図書館、学校、駅舎などの公共建築
軍隊関連施設
伝統産業施設
店舗、銀行、旅館、ホテルなどの商業施設
工場などの産業関連施設
トンネル、橋梁、灯台などの交通関係建造物
ダム、水門などの近代化遺産
社寺、協会などの宗教建築
民家、泉 (飲料用水、生活用水)
これらの「登録物件」には、「現役」の「商店」、「ホテル」などとして活用しつつ、保存されているもの、「博物館」・「資料館」などとして「公開」「活用」されているものが多いそうです。
「登録有形文化財」の「都道府県別」の「建造物」の2011年(平成23年)7月現在の「登録件数」は下記の通りです。
都道府県 件数
総数 8331件
1 大阪府 514件
2 兵庫県 505件
3 長野県 368件
4 京都府 361件
5 香川県 349件
6 愛知県 330件
7 新潟県 329件
8 群馬県 300件
9 滋賀県 287件
10 高知県 265件
11 東京都 263件
12 岡山県 236件
13 茨城県 231件
14 石川県 201件
15 奈良県 197件
16 栃木県 188件
17 岐阜県 181件
17 大分県 181件
19 秋田県 166件
20 島根県 159件
21 静岡県 157件
22 神奈川県 155件
23 千葉県 147件
24 鳥取県 142件
25 和歌山県 132件
26 埼玉県 126件
27 福島県 118件
28 山形県 117件
29 熊本県 110件
30 北海道 109件
31 広島県 104件
32 三重県 96件
33 愛媛県 95件
34 鹿児島県 94件
35 徳島県 92件
36 富山県 89件
37 青森県 88件
37 福井県 88件
39 長崎県 87件
40 宮城県 84件
41 岩手県 80件
42 佐賀県 77件
43 宮崎県 70件
43 沖縄県 70件
45 山口県 67件
46 福岡県 66件
47 山梨県 58件
2県以上 2件
「登録有形文化財」の「分類別」の「建造物」の「登録件数」は、2011年(平成23年)7月1日現在、下記の通りです。
分類 件数
総数 8331件
産業1次 100件
産業2次 802件
産業3次 1063件
交通 326件
官公庁舎 152件
学校 262件
生活関連 278件
文化福祉 266件
住宅 3830件
宗教 1024件
治山治水 164件
その他 64件
「銚子市」では、一昨年(2013年)11月15日に、「国」の「文化審議会」により、「銚子市」「飯沼町」にある「磯角商店主屋(イソカクショウテンシュオク)」を「登録有形文化財」(建造物)にするように「答申」。
昨年(2014年)4月25日に「国登録有形文化財」(建造物)として「磯角商店主屋」(1棟)(所有者・個人)が、登録されました。
「磯角商店主屋」ですが、1953年(昭和28年)に建てられた「廻船(カイセン)問屋住宅」で、「和洋」を取り混ぜた「造り」が「目」を引くだけではなく、「高価」な「木材」が使われ、「鯛」や「帆掛け船」の「彫刻」が「所々」に施されるなど、「港町」にふさわしい「デザイン」と「繁盛」した「廻船問屋」の「暮らしぶり」を「今」に伝えています。
「磯角商店主屋」ですが、「木造2階建て」約140平方mで、「銚子漁港」「第一卸売市場」そばに建てられた「建造物」で、「玄関」にある「西側」から見ると「入母屋造り」の「和風住宅」ですが、「住宅」「南側」に「モルタル」や「タイル」が取り入れられ、「ガラスブロック塀」が築かれた「洋風」の「造り」が見られます。
「磯角商店主屋」は、「屋根」や「天井」に「特徴」があり、「ヒノキ」や「スギ」、「サクラ」、「ラワン材」など「多種類」の「良質木材」が使用され、「水運」の「恩恵」を受け、「物資」を「各地」がら取り寄せたと思われています。
「磯角商店主屋」の「見どころ」ですが、「屋根」の「軒下」にある「鯛」と「波」が「デザイン」された「懸魚」や、「ヒノキ」の「一枚板張り」となっている「船底状」(舟底状)をした「2階」の「折り上げ天井」などがあげられます。
「磯角商店主屋」の「建物」が「漁港」の「そば」にあり、「廻船問屋」を意識した「港町」にふさわしい「造り」(景観寄与)をしていることから、「地域」の「特性」を反映し、「国土の歴史的景観」に寄与していると「評価」されています。
「磯角商店主屋」の「詳細」は、下記の通りです。
「磯角商店主屋」詳細
種別
国登録有形文化財
登録内容
1棟
登録日
平成26年4月25日
所在地(所有者)
銚子市飯沼町186(個人)
概要
磯角商店は、銚子港の廻船問屋であったと伝える。
現存するその主屋は、昭和28年(1953年)の建築で、瓦葺。
木造2階建の和風住宅の南面に、洋間の応接室を張り出し、ガラスブロックの塀を配している。
和洋を取り混ぜた構成で、内装にはラワン材など、種々の木材を使っており、工夫を凝らした造作がみられる。
その特徴として、2階には舟底状の折上天井を張る座敷を設け、随所に鯛や帆掛船の彫刻を施すなどし、廻船問屋を意識した港町にふさわしい意匠を伝えている。
「銚子市」では、昨年(2014年)4月に「登録有形文化財」となった「磯角商店主屋」が3月21日(土)・22日(日)に「一般公開」されます。
「一般公開」では、「室内」のすばらしい「造作」を見ることができるそうです。
「普段」見ることのできない「箇所」の「見学」ができる「登録有形文化財」「磯角商店主屋」「一般公開」。
この機会に「銚子市」に訪れてみてはいかがでしょうか?
「磯角商店主屋」「一般公開」詳細
開催日時 3月21日(祝・土)・22日(日) 9時〜16時
開催会場 磯角商店主屋 銚子市飯沼町186
問合わせ 銚子市観光協会 0479-22-1544
備考
「一般公開」される「磯角商店主屋」ですが、2011年(平成23年)3月11日に発生した「東日本大震災」の際、「利根川」をさかのぼってきた「津波」で「土間」が数cm「浸水」しましたが、大きな「被害」はなかったそうです。