本日ご案内するのは、地元「銚子市」「常世田山常灯寺」で1月8日(木)に開催されます「常世田薬師(とこよだやくし)」「御本尊御開帳」です。
「常世田山常灯寺」(2011年1月11日のブログ参照)ですが、「銚子市」「常世田町」にある「真言宗智山派」の「寺院」で、「山号」は「常世田山」です。
「常世田山常灯寺」の「御本尊」は「薬師如来」、「常世田山常灯寺」は「地名」である「常世田町」と「御本尊」の「名称」「薬師如来」の「名称」から「常世田薬師(とこよだやくし)」と呼ばれています。
「常世田薬師」こと「常世田山常灯寺」の「創建年代」等は「不詳」だそうですが、「伝承」によりますと、「行基」によって開創された「寺院」であると伝えられています。
「常世田山常灯寺」は、「目」の「病気」に「御利益」があるとされ「人々」に篤く信仰され、「常世田薬師」と呼ばれ、広く親しまれていました。
また「常世田山常灯寺」は、江戸時代から明治時代にかけ、「東総の三薬師」のひとつとして「興隆」を極めていたそうです。
ちなみに「東総の三薬師」とは、「銚子市」の「常世田山常灯寺」、「旭市」の「尾背川薬師寺」、「匝瑳市」の「泉養院」(現在、廃寺)だったそうです。
「常世田山常灯寺」「本堂」ですが、「正面」9m、「側面」10.8mの「寄棟(よせむね)造り」で、「茅葺屋根」の「仏堂」でした。
「常世田山常灯寺」「本堂」「内部」ですが、「内陣」に「宮殿(くうでん)」を安置した「須弥壇(しゅみだん)」を設けており、「宮殿」は、1.8m四方の「大規模」なもので、「禅宗出組(ぜんしゅうでぐみ)」と「板蟇股(いたかえるまた)」を付し、「正面」と「背面」に「扉」を設けており、「本堂」と同時期のものと考えられているそうです。
「宮殿」の「軸部」の「様式」は、「自然石」の「礎石」上に「丸柱」を建て、「柱」上に「台輪(だいわ)」を置き、「組物」は「唐様二手先(からようふたてさき)」で、「中備(なかぞなえ)」に「蓑束(みのづか)」を用いています。
「内外陣」の「境」は、「舞良戸(まいらど)」と「格子戸(こうしど)」を用いて仕切り、「天井」は「格天井(ごうてんじょう)」、「建立」は、「棟札」によりますと、1673年(寛文13年)で、「県内」の江戸時代前期の「密教系仏堂」の「代表例」といわれているそうです。
現在「常世田山常灯寺」ですが、「保存整備事業」のために「解体修理」(2011年2月15日のブログ参照)を行っており、2013年、2014年に「修復」を行い、本年(2015年)3月末に修復される予定となっています。
「行基」ですが、「日本」の奈良時代の「僧」で、天智天皇7年(668年)に生まれました。
(667年4月に生まれたという説もあります。)
「僧侶」と「国家機関」と「朝廷」が定め「仏教」の「一般民衆」への「布教」を禁じた時代に、「禁」を破り「畿内」を「中心」に「民衆」や「豪族層」を問わず、広く「仏法」の「教え」を説き、「人々」より篤く崇敬されました。
また「行基」は、「道場」・「寺」を多く建てたのみならず、「溜池15窪」、「溝」と「堀9筋」、「架橋6所」を、「困窮者」のための「布施屋」9ヶ所等の「設立」など「社会事業」を「各地」で行ったそうです。
「朝廷」からは、度々(たびたび)弾圧されましたが、「奈良の大仏」(「東大寺」ほか)「建立」の「実質上」の「責任者」として招聘されたそうです。
この「功績」により「行基」は、「東大寺」の「四聖」の「ひとり」に数えられています。
「常世田薬師」こと「常世田山常灯寺」の「本堂」は付随して「宮殿」、「棟札」とともに、昭和54年(1979年)3月2日に「千葉県」の「有形文化財」(建造物)に指定されています。
「常世田山常灯寺」ですが、「千葉県内」では、江戸時代前期の「密教系仏堂」の「代表例」といわれているそうです。
「常世田山常灯寺」には、「寺宝」でもある「木造薬師如来坐像」があります。
「木造薬師如来坐像」ですが、「像高」140.9cm、「坐幅」約100cmあり、「ヒノキ寄木造り」で「坐像」「全面」に「漆箔(しっぱく)」を施(ほどこ)してあり、「金色(こんじき)」に輝いています。
「常世田山常灯寺」「木造薬師如来坐像」は、「仏像」のふくよかな「顔」が「流麗(りゅうれい)」な「衣文(えもん)」など随所に平安後期の「特徴」(定朝様式)を残している鎌倉時代初期の「代表的」な「仏像」(作例)なのだそうです。
「常世田山常灯寺」「木造薬師如来坐像」の「台座」は仁治年間に修理されました「八角形」の「裳懸座(もかげざ)」で「金色燦然(こんじきさんぜん)」としています。
「常世田山常灯寺」「木造薬師如来坐像」の「光背(こうはい)」の「高さ」232cm、「光背」の「頂部」に「胎蔵界大日如来」と「脇侍(きょうじ)」「二尊」を導き、「左右」に6躯ずつ「合計」12体の「飛天」の「数」ですが、「薬師如来」の「十二請願(せいがん)」に合わせたものであろうと「推測」されており、「常世田山常灯寺」「木造薬師如来坐像」「像胎内」に「多数」の「墨書銘(ぼくしょめい)」があり、これにより1243年(明治4年)、「仏師」「豪慶」によって修理したと伝えられています。
「常世田山常灯寺」「木造薬師如来坐像」ですが、1955年(昭和30年)1月に「千葉県」の「県指定文化財」となり、1959年(昭和34年)6月27日に「国」の「重要文化財」(彫刻)に指定されています。
「常世田薬師」の「名」で親しまれている「常世田山常灯寺」「本堂」は、上記のように「千葉県指定文化財」で、また「御本尊」「木造薬師如来坐像」は、「国」の「重要文化財」です。
しかし、「常世田山常灯寺」は、多くの「他の寺院」のように「檀家」を持たず、「歴史」ある「伽藍」は、「地元の町内会」が結成した「常世田薬師奉賛会(とこよだやくしほうさんかい)」によって守られてきました。
1673年(寛文13年)に建立された「常世田山常灯寺」は、これまで一度も大きな「改修」が行われず、年々「老朽化」していく「本堂」の「姿」に、わずか30年ほどの「町内会」からなる「奉賛会」の「皆さん」も永年「心」を痛めていたそうです。
ところが、平成20年(2008年)にある「個人の方」から、
「常世田山常灯寺解体修理に使ってください。」
と「多額」の「寄付」をいただき、思いがけず、「解体修理」を「開始」できることとなったそうです。
しかし「解体修理」のための「多額の寄付」をいただいたものの、「解体修理」と「将来」にわたっての「建物」の「維持管理」にかかる「費用」に賄うには十分とはいえず、限られた「費用」の中での「将来」にわたる「維持」・「管理」の「点」から、「幾星霜」を経た「歴史」あるかつての「茅葺屋根」の「趣」を残しつつも、「維持管理」により適した「銅板」を使用することとなったそうです。
「銚子市」では、「常世田山常灯寺」の「本堂」を、平成22年(2010年)から平成27年(2015年)までの「6か年」で「解体修理事業」を実施する「計画」を立て、「解体修理工事」を開始しています。
「常世田山常灯寺」「本堂」の「修理完了予定」ですが、2014年(平成26年)の「3月末」でしたが、平成27年度末に「事業」が「終了」する「予定」となりました。
現在「解体修理」が始まって、3年が経過し、平成24年(2012年)3月には、「建物」の「すべて」の「部材」が「解体」され、「礎石」のみを残す「状態」でした。
これまでの「解体作業」の「過程」でも、「創建時」から「現在」に至るまでの「建物」の「歴史」を物語る「数多く」の「資料」が発見されたそうです。
そして平成25年度からは、「部材」をつくろいながら、「組み立て」が始まり、上記のように平成27年度末に「事業」が「終了」する「予定」となっています。
「常世田薬師」「御本尊御開帳」ですが、「初薬師」にあたる毎年1月8日、7時00分から12時00分まで「常世田山常灯寺」「収蔵庫」を開けて、「常世田山常灯寺」「御本尊」である「寺宝」「木造薬師如来坐像」を御開帳する「行事」で、「国」の「重要文化財」(彫刻)に指定されている「木造薬師如来坐像」を「年」に「一度」開催されるそうです。
「常世田薬師」「御本尊御開帳」では、「当日」「常世田山常灯寺」にて「子供たち」の健(すこ)やかな「成長」を祈願する「魔除け」の「御朱印」を「おでこ」に押してもらうことが出来るそうです。
また「常世田薬師」「御本尊御開帳」に合わせて行われる「行事」ですが、上記のように「お札」の「授与」、「常世田町内会」による「甘酒」の「ご接待」が行われるそうです。
「歴史」ある「常世田山常灯寺」で開催される1月8日午前中のみ公開される「行事」「常世田薬師」「御本尊御開帳」。
この機会に「銚子市」に訪れてみてはいかがでしょうか?
「常世田薬師」「御本尊御開帳」詳細
開催日時 1月8日(木) 7時〜12時
開催会場 常世田山常灯寺 銚子市常世田町53-1
問合わせ 銚子市教育委員会生涯学習課文化班 0479-24-8739 (平日 8時30分〜17時00分)
備考
「常世田薬師」「御本尊御開帳」では、「参拝者」のうち「希望者」には「御朱印」を押してもらえるそうです。
また「常世田薬師」「御本尊御開帳」の「御朱印」ですが、「体」に押してもらうと「無病息災」の「ご利益」があると言われているそうです。