本日ご紹介するのは、となりまち「香取市」「重要伝統的建造物群保存地区」の「店舗」などを紹介する「企画」「佐原まちあるき」です。
第11回の今回は明治13年(1880年)の「建築」で「切妻造り」の「木造2階建て土蔵造」の「正文堂書店」です。
「坂東太郎」と呼ばれる「大河」「利根川」(2011年10月9日のブログ参照)の「支流」である「小野川」(2012年9月7日のブログ参照)のおかげで、「佐原」は江戸時代より「舟運」の「拠点」としてたいへん栄えていました。
「農業」を「主産業」とする「この土地」(佐原)では、「酒」・「醤油」・「味噌」などの「醸造業」も盛んで、「全国」から集まる「物資」のみならず、「人」と「文化」の「交流地」となり、「大都会」となりました。
「水運」を利用して「江戸優り(えどまさり)」といわれるほど栄えていた「佐原」では、「人々」が、「江戸の文化」を取り入れ、更にそれを「独自」の「文化」に昇華していったそうです。
このときに、「佐原」では、「格子」が入った「町屋」や「白壁」の「蔵」が建ち並ぶ「佐原の町並み」が形成されていったそうです。
その「面影」を残す「佐原の町並み」が「小野川」沿岸や「香取街道」に今でも残っており、このような「歴史景観」をよく残し、またそれを活かした「まちづくり」に取り組んでいることが認められ、平成8年12月10日に「佐原の町並み」は、「文化庁」から「関東」で初めて「重要伝統的建造物群保存地区」(重伝建)に選定されました。
「佐原」の「重伝建」は「昔」からの「家業」を引き継いで「今」も「営業」を続けている「商家」が多く、「生きている町並み」として「評価」されています。
現在、「佐原の町並み」では、「木造」や「蔵造り」の「町家」のほか、「土蔵」・「洋風建築」などの「伝統的建造物」が数多く残り、「小野川」や「柳」などの「周囲」の「環境」と一体となって、「利根川下流域」の「商業都市」としての「歴史的背景」を伝えています。
「重厚」な「蔵造り」と「川」の「風情」が相まった「佐原」ならではの「景観」で「人気」の「佐原の町並み」には、「佐原の偉人」「伊能忠敬」(2011年3月5日のブログ参照)の「旧宅」や、「伊能忠敬記念館」(2011年3月8日・2012年1月29日・4月21日・2013年3月24日のブログ参照)があり、「伊能忠敬旧宅」(2012年2月24日のブログ参照)と「伊能忠敬記念館」の間に流れる「小野川」には、「通称」「ジャージャー橋」と呼ばれる「樋橋(とよはし)」(2012年2月13日のブログ参照)があります。
「樋橋」は、江戸時代の初期に、「佐原村」の「灌漑用水」を「小野川」の「東岸」から「西岸」に送るため、「木製」の大きな「樋」をつくり架けたのが「はじまり」で、後に「灌漑用水」を通して「大樋」を「箱形」にして、「手摺り」をつけて「板」を敷き、「人」が渡れるようになったそうです。
「樋橋」は、昭和時代に「コンクリート製」の「橋」となりましたが、平成4年に「現在」の「木製」の「橋」に掛け替えられています。
「歴史的景観」が色づく「佐原の町並み」の中で今回ご紹介するのは、明治13年(1880年)に建築された「正文堂書店」です。
「正文堂書店」は、「小野川」と「香取街道」が交差する「忠敬橋」より「西」に位置する「店舗」で、「小堀屋本店」(2012年8月31日のブログ参照)の「隣」と「隣」の「隣」にある古い「書籍屋」です。
「正文堂書店」は、「浅瓦葺」で「切妻造り」の「木造」2階建て(3階に改造)で、「土蔵造」とされています。
「正文堂書店」は、「防火」を意識した「土蔵づくり」の「店舗」で、「店蔵造り」と呼ばれ「重厚」な感じを与える「建物」です。
「正文堂書店」には、「登り龍」、「下り龍」を配した「看板」があり、「正文堂」の「文字」は「厳谷修」の「書」(明治29年・1896年)となっています。
「正文堂書店」の「大黒柱」は「欅材」、2階の「窓」は「土塗」の「開き戸」、さらに「横引き」の「土戸」に「板戸」と三重に「防火設備」を伏した「土蔵」となっています。
「正文堂書店」は、「江戸」の「町家」を用いられた「黒塗り」の「土蔵造り」の「店舗」の「形式」を伝えられ「意匠」も「技術」も大変優れ、「堅固」に作られています。
「正文堂書店」では、上記のように江戸時代から現在の「場所」で「書物」の「販売」、「出版」などを行っていたそうです。
(現在、「正文堂書店」は、すでに「書店」としては営業していません。)
「正文堂書店」は、一昨年(おととし)(2011年)に発生しました「東日本大震災」で大きな「被害」に遭い、「店舗」が「損壊」してしまいましたが、4月20日までに「修復工事」を終え、「東日本大震災」で大きな「被害」を受けた「観光の町」「さわら」の「シンボル」のひとつである「正文堂書店」は、発生から「2年余り」の時を経て再び、かつての「姿」を取り戻しました。
「香取市」の「担当課」は
「正文堂書店はすでに書店としては営業はしていないが、多くの人から親しまれている建物を復興させることで、地域社会の活性化にもつながるだろう」
と「コメント」しています。
「水郷」の「商都」「佐原」を今に残す「重伝建」「佐原の町並み」の「シンボル」的な「重厚」な「土蔵造」「正文堂書店」。
この機会に「香取市」に訪れてみてはいかがでしょうか?
「正文堂書店」詳細
所在地 香取市佐原イ503
問合わせ 香取市商工観光課 0478-50-1212
備考
「正文堂書店」の「屋根瓦」は「幅」の狭い「丸瓦」を使用した「本瓦葺き」で、「佐原の町並み」の中でも珍しいといわれています。
「正文堂書店」は、昭和49年(1974年)3月19日に「千葉県」の「県指定有形文化財」に選定されています。
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地域情報::香取 | 08:36 PM |