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「佐原まちあるき」その9「旧油惣商店(きゅうあぶそうしょうてん)」(香取市)
 本日ご紹介するのは、となりまち「香取市」「重要伝統的建造物群保存地区」の「店舗」などを紹介する「企画」「佐原まちあるき」です。
 第9回の今回は、創業寛政6年(1794年)「木造」・「寄棟妻入二階建」・「瓦葺」の「建物」の「旧油惣商店(きゅうあぶそうしょうてん)」です。

 「香取市」は、2006年3月27日に「佐原市」、「香取郡栗源町」、「小見川町」、「山田町」と合併しています。
 「香取市」の「中心」である「佐原」の「歴史」は、古く、古代から「香取神宮」(2010年11月5日・6日のブログ参照)が鎮座し、「神官」の「祭典」の時に使用する「土器」、「浅原(さわら)」を造って納めていたので「サワラ」という「地名」がついたともいわれています。

 鎌倉時代には「佐原市」「本矢作」に「居城」がありましたが、江戸時代には「城」は築かれませんでした。
 しかし「利根川」(2011年10月9日のブログ参照)や「支流」の「小野川」(9月7日のブログ参照)の「水運」を利用し、又「香取街道」を始めとする「街道」が交差する「陸運」の「要所」でもあったことから、「東北諸藩」の「年貢米」やその他の「物資」の「集散地」として繁栄し、
 「お江戸見たけりゃ佐原へござれ佐原本町江戸まさり」
 といわれる程、「利根川」流域の「交通」・「経済」・「文化」の「中心」として「発展」を続けました。

 上記のように「香取市佐原」は、「利根川水運」の「中継基地」として栄えた「場所」で、現在でも「小野川」沿いと周辺には「商家」が建ち並ぶ古い「町並み」が残っており、その「町並み」の「美しさ」から「小江戸」と呼ばれ「人気」を集めています。
 「佐原の町並み」には、江戸時代の「店構え」を残す「店舗」や古くからの「道具類」を大切に伝えてきた「家」など、当時の「町並み」がたくさん残っています。
 以上のことが認められ、「佐原の町並み」は、「関東」で初めて「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されています。

 「佐原の町並み」には、「佐原の偉人」「伊能忠敬」(2011年3月5日のブログ参照)が過ごした「伊能忠敬旧宅」(2月24日のブログ参照)や「伊能忠敬」の「功績」を讃えている「記念館」「伊能忠敬記念館」(2011年3月8日・2012年1月29日・4月21日のブログ参照)があります。

 「伊能忠敬旧宅」から「小野川」をまたいで対岸に「伊能忠敬記念館」があり、「小野川」にかかる「樋橋(とよはし)」(2月13日のブログ参照)で行き交いできます。
 もとは江戸時代の前期につくられた「佐原村用水」を、「小野川」の「東岸」から「対岸」の「水田」に送るための「大樋」であったそうです。
 300年近く使われ、戦前に「コンクリート」の「橋」になってからも「橋」の「下側」につけられた「大樋」を流れる「水」が、「小野川」にあふれ落ちて
 「ジャージャー」
 と「音」を立てるので、「じゃあじゃあ橋」の「通称」で親しまれていました。
 今の「橋」は「観光用」につくられたもので、30分ごとに「落水」させています。

 「重要伝統的建造物群保存地区」「佐原の町並み」には昔からの「家業」を引き継いで今も「営業」を続けている「商家」が多く、「生きている町並み」として評価されています。
 また「重要伝統的建造物群保存地区」「佐原の町並み」では「伊能忠敬旧宅」(寛政5年(1793年)建築・国指定史跡)のほか「千葉県」の「県指定文化財」も8軒(13棟)が「小野川」沿いや「香取街道」沿いに「軒」を連ねています。

 「旧油惣商店」は、江戸中期の寛政6年(1794年)創業で、「小野川」に面して建つ「旧店舗」と「土蔵」です。
 「旧店舗」は、1900年(明治33年)建築の「佐原」にはめずらしい「木造総二階建」で、大火以後の明治33年の「建築」に、大正5〜6年の「増築」の「建物」だそうです。
 また「土蔵」(袖蔵)ですが、「土蔵」の「棟札」に「寛政十戌午歳九月 立之大工 佐吉立之」とあり、1798年(寛政10年)建築で「佐原地区」で「最古」の「建築物」(の可能性がある)といわれています。
 また「旧油惣商店」「土蔵」は「屋根裏」を含めると「3階分」あるそうです。

 「旧油惣商店」は、「本地」において「酒造業」を始め、その後寛政年間より「佐原村」(当時)で初めて「奈良漬」を始めていたそうです。
 その当時「佐原名物御酒(おさけ)に醤油(しょうゆ)、味醂(みりん)に奈良漬島の瓜(うり)」と江戸末期ごろの「里謡」にうたわれていたようです。

 「旧油惣商店」では、明治から昭和戦前まで「奈良漬け」等の数多くの「商品」を「アメリカ」に輸出していた「実績」をもっていたそうです。
 さらに「旧油惣商店」は、「酒造業銘柄」「菊華」としても知られており、大正年間に「佐原」で初めて「キリンビール」を販売していたことでも知られています。
 「旧油惣商店」には、江戸、明治、大正、昭和30年までの「建物」、「家財」がそのまま維持されているそうです。

 「江戸優(えどまさ)り」「佐原最古」の「土蔵」と「佐原」きっての「商家」のひとつ「旧油惣商店」。
 昔ながら「町並み」を今に残す「香取市佐原」にお出かけしてみてはいかがでしょうか?

 「旧油惣商店」詳細

 所在地  香取市佐原イ503

 問合わせ 町並み観光中央案内処 0478-55-2020

 備考
 「小野川」にかかる「樋橋」の「落水」は「残したい日本の音風景100選」に選ばれています。
 「旧油惣商店」の「店舗」、「土蔵」の「2棟」は、平成5年2月26日に「千葉県」の「県指定有形文化財」に指定されています。













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