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「成田山新勝寺第32回雅楽演奏会」(成田市)
 本日二つ目にご案内するのは、近隣市「成田市」「成田山新勝寺」で明後日(あさって)の10月21日(日)に開催されます「成田山新勝寺第32回雅楽演奏会」です。

 「成田山新勝寺」(2010年11月14日・15日・16日のブログ参照)では、毎年10月第3日曜日に「成田山雅楽部」による「雅楽演奏会」を開催しています。
 「成田山雅楽部」は「成田山新勝寺」の「職員」により組織され、「成田山新勝寺」「大本堂」における「特別大護摩供」や「各種大法要」において「奏楽」をしています。

 この「成田山新勝寺雅楽演奏会」は「入場無料」となっており、このような「本格的」な「雅楽」の「公演」を「目の前」でどなたでもご覧いただくことができるのは、大変貴重な機会といえます。

 「雅楽」は、5世紀前後からから「中国」や「南アジア」などの「大陸」から、「儀式用」の「音楽」や「舞踏」が伝わるようになり、大宝元年の「大宝令」によってこれらの「音楽」とあわせて「日本古来」の「音楽」や「舞踏」を所管する「雅楽寮」が創設されたのが始まりであるとされ、現在でも大規模な「合奏形態」で演奏される「伝統音楽」としては「世界最古」の「様式」であるといわれています。

 平安時代中期には、「公家」や「皇族」といった「人達」が「自分」の「趣味」や「教養」のために、「雅楽」を「演舞」をしていたといわれ、現在のように「専門」の「楽師」が演奏するようになったのは、ずっと後の「時代」になってからといわれています。

 32回目を迎える今回の「演奏会」は「2部構成」で、前半に「管絃(かんげん)」、後半に「舞学(ぶがく)」をご覧いただけます。
 「管絃」は、「三管両絃三鼓」の「編成」で、「笙(しょう)」・「篳篥(ひちりき)」・「龍笛(りゅうてき)」の「三管」、「琵琶(びわ)」・「箏(そう)」の「二弦」、「鞨鼓(かっこ)」・「太鼓(たいこ)」・「鉦鼓(しょうこ)」の「三鼓」によって奏され、「舞」を伴わずに「楽器」だけで演奏されます。
 「舞楽」とは、「中国」や「朝鮮」から伝わり、平安時代に「宮中」の「式楽」として整えられた「舞」を伴う「音楽」のことです。
 「笙」・「篳篥」・「龍笛」などの「管楽器」と「鉦鼓」・「太鼓」・「鼓(つづみ)」などの「打楽器」にあわせて、彩り鮮やかな「衣装」や「面」を「身」にまとい、ひとつひとつの「動作」、「指先」にまで「気持ち」が込められた「舞楽」の「舞」を堪能できます。

 「成田山新勝寺第32回雅楽演奏会」「演目」ですが「管絃」「盤渉調音取(ばんしきちょうねとり)」、「白柱(はくちゅう)」、「蘇莫者破(そまくしゃのは)」と、「舞楽」「陵王(りょうおう)」、「納曽利(なそり)」となっています。

 「盤渉調音取」ですが、「音取」とは、演奏する「楽曲」の属する「調子」の「雰囲気」を醸し出し、「楽器」の「音程」などを整える「意」を含み演奏される短い「前奏曲」で、「笙・篳篥・龍笛・琵琶・箏」の「順」に奏されます。
 「洋楽」でいう「ハ長調」といった「意味合い」の「調子」が「雅楽」においては「表調(ひょうじょう)・壹越(いちこつ)・双調(そうじょう)・黄鐘(おうしき)・盤渉(ばんしき)・太食(たいしき)」というように「六調子」あります。
 今回演奏される「盤渉調」は「雅楽」の「世界」では「冬」の「調子」とされ、古くは「冬」に奏されました。

 「白柱」は、「越殿楽」、「千秋楽」、「竹林楽」とともに「葬送曲」として「葬儀」のときに演奏される「盤渉調」の「楽曲」です。
 別名「徳貫子」、「児女子」とも呼ばれています。

 「蘇莫者破」ですが、「蘇莫者」という「曲」も「盤渉調」の「楽曲」で、「管弦」と「舞楽」の両方があります。
 「舞楽」ですと、「古楽乱声」、「蘇莫者音取」、「序」、「破」という「次第」となりますが、「管弦」では「破」のみが奏されるのが一般的です。
 元来は、「天王寺楽所」に伝わる「秘舞」といわれ、「聖徳太子」が「信貴山(しぎさん)」を越えるときに吹いた「笛」の「妙音」に、「山の神」が喜悦して舞ったありさまを「曲」にしたという「説」をはじめ、「由来」については「諸説」あります。

 「陵王」は、「左方唐楽」の「代表的」な「一人舞」で、「走舞(はしりまい)」の「傑作」とされています。
 「手足」の「動き」が速く「位置」も絶えず変わる「走舞」は大変「見応え」があり、更に「陵王」は平安時代から様々な折に盛んに舞われ、「雅楽会」の「公演」や「法会」などでの「奏舞」の「機会」が非常に多い「曲目」です。
 「陵王」の他に、「蘭陵王」、「羅陵王」、「竜王」などとも称され、「舞」を「陵王」、「曲」を「蘭陵王」と呼び分けるとも、「陵王」は単に「蘭陵王」を略したものとも言われ、更に「没日還午楽」の「別称」もあります。

 「納曽利」ですが、「陵王」には「番舞(つがんまい)」として、こちらも「名作」と名高い「納曽利」が舞われます。
 「別名」「落蹲(らくそん)」とも呼ばれ、「高麗楽」・「右方二人舞」で現代に伝わる「高麗楽曲」の中で最も「有名」かつ「最高傑作」とされる「舞曲」ど「雌雄」の「竜」が楽しげに、ゆったり「優雅」に遊ぶ「姿」を「舞」にしたものと言われます。
 平安時代では、主に「相撲」、「競馬」、「賭弓」の「節会」で「右方」の「勝者」を祝って奏されました。

 「日本」の古き良き「歴史」と「文化」を感じさせてくれる「雅楽」の「調べ」と「舞い」を堪能しに「成田山新勝寺第32回雅楽演奏会」にお出かけしてみてはいかがでしょうか?

 「成田山新勝寺第32回雅楽演奏会」詳細

 開催日時 10月21日(日) 開場12時 開演 13時〜14時30分(終了予定)

 開催会場 成田山新勝寺 光輪閣4階 光輪の間

 演目   「管絃」盤渉調音取 白柱 蘇莫者破
      「舞楽」陵王 納曽利

 入場料  無料

 問合わせ 成田山新勝寺 0476-22-2111

 備考
 「成田山新勝寺」「開山の祖」である「寛朝(かんちょう)大僧正」も、「雅楽」に大変堪能であったと伝えられています。
 「成田山新勝寺」は、こうした「深い縁」によって「つながり」のある「雅楽」という「伝統芸能」を、長い間大切に受け継いできたそうです。

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| 地域情報::成田 | 08:58 PM |

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